- 中舎 重之
- 建築家
対象:住宅設計・構造
プレカットの話です。
プレカットは、今から30年前にスタートしました。現在では利用率が、80%との事です。
昔ながらの大工さんの手加工が20%ですから淋しいですね。
プレカットを工場に依頼するときは、 各階平面図、立面図、各種伏図は勿論ですが、
設計図として是非とも軸組図を書いて下さい。
軸組図にスジカイの向き、構造用合板の位置、各種金物の位置、ホールダウン金物の位置などを
情報として発信して下さい。
これは、現場での監督、職人さんも活用できます。
一番確かな恩恵を受けるのが設計者自身です。
2階と1階の柱や耐力壁の位置と「ズレ」が明確になります。
孤独は柱や耐力壁が、ひときわ目立ちます。
図面を工場に渡すだけではなく、工場の担当者と綿密な打ち合わせを行って下さい。
特に注意すべきは、梁の継手位置に平面上で火打ち梁が来たり、
立面上でスジカイが来るのは禁じ手です。
工場では、コストの上で材料の長さを4mに拘りますので、平面的に4m毎にに継手が並びます。
これは絶対に避けるべき事項です。
プレカットの図面では、スジカイ、ホールダン金物は表示されません。
従って、基礎伏図、土台伏図にて取り合いや整合性をチェックして下さい。
3:スジカイ
スジカイ倍率(強さ)の話です。
スジカイは柱のサイズ90mm角が規準になります。
倍率は、柱の三ツ割(30x90mm)が1.5倍、二つ割(45x90)が2.0倍、
柱と同材(90x90)が3.0倍となります。
規準では幅が90mmですが、実際には105mmも使用されてもいます。
当方の設計では、スジカイのサイズは二つ割を最小としています。
稀に90mm角も使用します。二つ割(厚さ45mm)ですと、 引張と圧縮の両方で働きます。
圧縮の座屈止めとして間柱にN75の釘を平打ちします。
三ツ割(厚さ30mm)は引張材のみの働きですから、使用する場合は、タスキとして下さい。
でなければ、一対として隣接でハの字形か、Vの字形にして下さい。
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