そもそも町の排水能力はどうなのよ、ということ。 - 住宅設計・構造全般 - 専門家プロファイル

杉浦 繁
Atelier繁建築設計事務所 代表
愛知県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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そもそも町の排水能力はどうなのよ、ということ。

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大雨に考える・・2




法律では開発行為を行う場合は時間降水量120mmに対応する排水能力を持つよう建物を建てなければなりません。



ところが、実はこれって意味あるのかないのかよくわからないのです。




どういうことかって?



建物建てるときにその敷地でいくら時間降雨量120mmに対応するように作ったとしても・・

その建物から流れ出す道路の排水溝や排水管はどうなのよ・・

っちゅうことなのです。




一般的には町の排水力というのは・・

時間降雨量60mmで計画されているのだそうです。



つまり・・

いくらマンションを120mmの雨で大丈夫なように作っても・・

そこから出た水が流れ込む道路は半分の能力しか持っていませんから・・

下手したら水は道路に出ることも出来ません。


何のためにわざわざお金掛けて高性能にしているのか?


わからないのです。




よく大雨が降り出した頃に見かけませんか?


建物の前の道路側溝などの一部分からあふれ出す吹き上げる水・・

あれがそう・・

そこで建物からの排水管が道路側溝につながっています。



道路側溝がすでに満杯なところに建物からの排水が横からはいろうとしてもはいれないので・・

そこであふれる。




なんだそれは?


まったく役所のやることは・・

なんて役人をせめてもしょうがない?



だって排水能力ってのは・・

ただ排水管の大きさを大きくすればいいってことではない。


勾配・・

つまり排水管の角度・高低差によるのですから。


角度が大きければ勾配が大きければ当然水は早くたくさん流れますが、平地ではこの角度が勾配がありません。

何十キロ先でも数mの高低差しかないのです。



平地での排水能力というのはそもそものその地域の川が持つ能力以上にするのは・・


自然流下だけでは無理です。




出来ない。




時間降水量60mmに対応する排水能力だってそもそも無理!


それは計画であって目標でしかありません。

全てがそれで作られているわけではない。



場所によって全て勾配が違いますから。


全体の平均値なのです。









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