- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
大雨に考える・・2
先日の大雨、名古屋では時間降水量が約100mmだったとのことです。
そりゃまた凄い大雨です。
時間降水量というのは気象庁さんの雨量計に1時間の間にどんだけの雨がたまったかってことなのですが・・
なんでもその口は20cm角ほどなのだそうですが・・
よく天気予報でアメダス・・
とか言われてるあれです。
ただ、実際には見たことないのでどんなもんかは知りません。
知りませんが、知らなければなりません。
なぜなら・・
都市計画とか宅地開発とか建築の開発なんてもの排水計画というのはこの時間降水量を元に作られるからなのです。
建築の開発行為においては・・
その場所の過去最大の時間降水量又は時間当たり120mmでその敷地からはけるよう、つまり排水できるよう排水は設計しなければなりません。
どうゆうことかというと・・
その敷地に降った時間降水量120mmの雨がちゃんと時間内に敷地外に排水出来るよう排水溝や排水管などの大きさや勾配を計算して作るということです。
実際にこの東海地区における過去最大の時間降水量は・・
かの2000年の東海豪雨の際に東海市で降った時間降水量114mmが最大です。
ですから、開発計画では基本的に120mmで設計するのが普通なのです。
実は・・
昔、といってもそのほんの数年ほど前までは・・
馬鹿にしてたんですよね。
排水計算をするたびに・・
何だこの馬鹿な計算式はってね。
時間降雨量120mmってのは理想論で、沖縄とか九州とかの亜熱帯に近い地域のことを元に作られていたのです。
東海地区では東海豪雨が起こるまでの過去最大の時間降水量ってのは70mmほどだったんです。
当時としてはあまりにも現実的ではない数字・・
だったのです。
何しろ、記録上の最高でも70mm程度の雨しか降ったことがなかったのですから。
だもんで馬鹿じゃない?って怒こってたわけです。
ところがところが・・
もう名古屋でも当たり前のように降る2~3年に一度の100mmを超える雨!
いったい日本はどうなってしまったのでしょう?
そして・・
まあ、考えようによってはそんなあり得ないこと、あり得ない大雨をもきちっと考えて建てるよう法律はなっていたのだから、よかったじゃないか!
ということにもなるのですが・・
実は、それもそうとも言えない?のです。
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