解雇予告(労働基準法20条) - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年02月23日更新

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解雇予告(労働基準法20条)

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労働基準法

(解雇の予告)

第20条  使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。

 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

 

解雇予告(労働基準法20条1項)

○解雇予告の方法

解雇予告は口頭で行っても有効である。ただし、後日、労使間で紛争となった場合に証明困難となるので、文書で解雇予告したほうがよい。

○解雇予告期間

予告した当日と解雇の効力を生じる日の間に、(労働日ではなく)、暦日で30日間が必要である。予告当日は民法の原則により初日不算入であり、期間の末日の経過により期間が満了するためである。

この「30日」には休業日、休日を含む。

○解雇予告の取消

いったんなされた解雇予告を使用者は取り消すことは、労働者保護の観点から許されない。そのため、労働者の自己都合退職の問題にならない。ただし、労働者の同意がある場合には、取り消すことができる。

○予告期限到来後の解雇

解雇予告期間後も引き続き雇用する場合には、同一条件でさらに労働契約がなされたと通常みなされるので、その解雇予告は無効となり、その後解雇する場合には、改めて労働基準法20条の手続(解雇予告など)を踏まなければならない。

 

○予告手当の概算払い

多人数の労働者を一時に解雇する場合、平均賃金を正確に計算することが実際に不可能な場合、概算額を支払い、後日すみやかに、不足額を提供しなければならない。

 

○最低年齢に満たない労働者の解雇

労働基準法56条の最低年齢違反の無効な労働契約で就労している児童を解雇する場合、労働基準法20条が適用され、かつ、予告による違法就労の継続を認めない趣旨から、解雇予告手当を支払い、即時解雇すべきである。

 

○解雇制限の解除

次の場合には、労働基準法19条1項本文の解雇制限は適用されない(労働基準法19条1項ただし書、2項、労働基準法施行規則6条)

(1)業務上傷病の療養のための休業期間とその後30日間

ア)使用者が労働基準法81条により打ち切り補償を支払う場合

イ) 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能、かつ、労働基準監督署長の認定

(2)産前産後の休業期間とその後30日間

上記イ)の場合のみ

○「天災事変その他やむを得ない事由により事業継続が不可能となった場合」

①「やむを得ない事由」とは、天災事変に準ずる程度に不可抗力に基づき、かつ、突発的な事由である。

「やむを得ない事由」に該当するもの

・事業場が火災により焼失した場合(事業主の故意・重過失に基づく場合を除く)

・震災に伴う工場、事業場の倒壊、類焼などにより事業の継続が不可能な場合

「やむを得ない事由」に該当しないもの

・税金の滞納処分を受け事業廃止に至ったもの

・事業経営上の見通しの齟齬のように、事業主の危険負担に属すべき事由に起因して資材入手難、金融難に陥った場合

・従来の取引事業場が休業状態となり、発注品がなく、そのために事業が金融難となった場合

○「事業継続が不可能となる場合」とは「事業の全部または大部分の継続が不可能となった場合」である。

・以下は該当しない。

・事業がなおその主たる部分を保持して継続し得る場合

・一時的に操業中止のやむなきに至ったが、事業の現況、資材、資金の見通しなどから全労働者を解雇する必要に迫られず、近く再開復旧の見込みが明らかな場合

・当該事業場の中心となる重要な建物、設備、機械等が焼失を免れ多少の労働者を解雇すれば従来通り操業し得る場合

・従来の事業を廃止するが、多少の労働者を解雇すれば、そのまま他の事業に転換し得る場合


○即時解雇が可能な場合

即時解雇が可能な場合として、労働基準法20条1項ただし書は、以下の2つを挙げている。

(1)天災事変その他やむをえない事由により事業の継続が不可能となった場合

(2)労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合

ただし、いずれも、労働基準監督署長の認定を受けることが必要である(労働基準法21条3項)。

・労働基準法19条1項ただし書・20条1項ただし書の労働基準監督署長の解雇予告除外認定は原則として、解雇の意思表示をする前に受けるべきである。しかし、この認定の法的性質は、労働基準法19条1項ただし書・20条1項ただし書に該当するかを確認するにとどまる。したがって、即時解雇の意思表示をした後、解雇予告除外認定を受けた場合には、解雇の意思表示の効力は、使用者が即時解雇の意思表示をした時点で生じると解されている。

なお、認定申請を使用者が遅らせることは、労働基準法19条または20条の違反となる。

 

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