職務発明の対価(特許法35条) - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年07月21日更新

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職務発明の対価(特許法35条)

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債権回収

○職務発明の対価(特許法35条)

 

特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができない(特許法34条1項)。

 

職務発明について、発明をした従業者に「特許を受ける権利」が原始的に帰属する。

特許を受ける権利は、発明者から使用者に、移転することができる(特許法33条1項)。

特許法35条は、職務発明について、発明をした従業者の特許を受ける権利の帰属・利用に関して、従業者と使用者の利益を保護し調整する規定である。(最高裁平成15・4・22判決)。

旧特許法35条は、使用者が支払った職務発明の対価が、客観的に算定される額に不足する場合には、裁判所が定めると解されていた(上記最高裁平成15年判決)。

2004年に特許法35条が改正され、企業の職発明についての対価の額が合理的範囲にあるかを裁判所が審査し、不合理な場合には裁判所が不足額を決定できる旨に改正された。

なお、対価の額の決定について、実績の評価、再評価の制度を設けたほうが、より合理性があると評価されるであろう。

また、特許権になる前の仮専用実施権(特許法34条の2)、仮通常実施権(特許法34条の3)、通常実施権、専用実施権などのライセンスの状況、ライセンス料なども考慮される。

 

第35条  使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。

  従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ又は使用者等のため仮専用実施権若しくは専用実施権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。

  従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ、若しくは使用者等のため専用実施権を設定したとき、又は契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等のため仮専用実施権を設定した場合において、第34条の3第2項の規定により専用実施権が設定されたものとみなされたときは、相当の対価の支払を受ける権利を有する。

  契約、勤務規則その他の定めにおいて前項の対価について定める場合には、対価を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況、策定された当該基準の開示の状況、対価の額の算定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況等を考慮して、その定めたところにより対価を支払うことが不合理と認められるものであってはならない。

  前項の対価についての定めがない場合又はその定めたところにより対価を支払うことが同項の規定により不合理と認められる場合には、第三項の対価の額は、その発明により使用者等が受けるべき利益の額、その発明に関連して使用者等が行う負担、貢献及び従業者等の処遇その他の事情を考慮して定めなければならない。

 

なお、特許出願について、発明者と特許出願人が異なることを特許法は前提にしている。すなわち、特許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない(特許法36条1項)。

  特許出願人の氏名・名称、住居所

  発明者の氏名・住居所

なお、従業員が共同で発明した場合、特許を受ける権利は共有となる(特許法38条など)ので、職務発明をした従業者の発明への貢献の寄与度などが考慮される。

 

 

 

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