高年齢者雇用安定法の平成24年改正、その2 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年02月25日更新

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高年齢者雇用安定法の平成24年改正、その2

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2.就業規則の変更

・ある事業主の就業規則では、これまで、基準に該当する者を60歳の定年後に継続雇用する旨を定めている。改正高年齢者雇用安定法では、経過措置として、継続雇用制度の対象者を限定する基準を年金支給開始年齢以上の者について定めることが認められている。したがって、60歳の者は基準を利用する対象とされておらず、基準の対象年齢は3年毎に1歳ずつ引き上げられるので、基準の対象年齢を明確にするため、就業規則の変更が必要になった。

【希望者全員を65歳まで継続雇用する場合の就業規則の例】

 

第○条 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、解雇事由・退職事由に該当しない者については、65歳まで継続雇用する。

 

【経過措置を利用する場合の就業規則の例】

 

第○条 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、解雇事由・退職事由に該当しない者であって、高年齢者雇用安定法一部改正法附則第3項に基づきなお効力を有することとされる改正前の高年齢者雇用安定法第9条第2項に基づく労使協定の定めるところにより、次の各号に掲げる基準(以下「基準」という。)のいずれにも該当する者については、65歳まで継続雇用し、基準のいずれかを満たさない者については、基準の適用年齢まで継続雇用する。

(1)引き続き勤務することを希望している者 (2)過去○年間の出勤率が○%以上の者 (3)直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないこと (4)○○○○ 2 前項の場合において、次の表の左欄に掲げる期間における当該基準の適用については、同表の左欄に掲げる区分に応じ、それぞれ右欄に掲げる年齢以上の者を対象に行うものとする。

平成2541日から平成28331日まで 61

平成2841日から平成31331日まで 62

平成3141日から平成34331日まで 63

平成3441日から平成37331日まで 64

 

・高年齢者雇用安定法改正により、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止されたことから、定年時に継続雇用しない特別な事由を設けている場合は、高年齢者雇用安定法違反となる。ただし、就業規則の解雇事由・退職事由と同じ内容を、継続雇用しない事由として、別に規定することは可能であり、例えば以下のような就業規則が考えられる。

 なお、就業規則の解雇事由・退職事由のうち、例えば試用期間中の解雇のように継続雇用しない事由になじまないものを除くことは差し支えない。しかし、解雇事由・退職事由と別の事由を追加することは、継続雇用しない特別な事由を設けることになるため、認められない。

【就業規則の記載例】

(解雇)

第○条 従業員が次のいずれかに該当するときは、解雇することがある。

(1) 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないとき。

(2) 精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき。

(3) ・・・

  ・・・

(定年後の再雇用)

第△条 定年後も引き続き雇用されることを希望する従業員については、65歳まで継続雇用する。ただし、以下の事由に該当する者についてはこの限りではない。

(1) 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないとき。

(2) 精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき。

(3) ・・・

  ・・・

上記の解雇事由(1)(2)(3)…と同一の事由に限られる。

 

 

・常時10人以上の労働者を使用する使用者が、継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定で定めた場合には、就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」に該当することとなった。

 このため、労働基準法第89条に定めるところにより、労使協定により基準を策定した旨を就業規則に定め、就業規則の変更を管轄の労働基準監督署に届け出る必要がある。

 また、継続雇用制度の対象者に係る基準を定めた労使協定そのものは、労働基準監督署に届け出る必要はない。

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