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薬物療法について ~境界性パーソナリティ障害その10~

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  1. 心と体・医療健康
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境界性パーソナリティ障害

長いコラムになると予想はしていましたが、すでにこのコラムも10回目となりました。
今回はこの障害における「薬物療法について」を取り上げたいと思います。

現在、境界性パーソナリティ障害の治療では、95%の患者さんが薬物療法を受けています。
ただし、「薬ですべてが解決するわけではない。他の治療法と並行してこそ効果がある」ということは知っておいてください。
この前提に基づいて薬についてご説明します。

【境界性パーソナリティ障害の薬は存在しない】
この障害専用の「薬」は存在しません。この障害によって生じる様々な症状に対応する薬が処方されます。
(例)
怒りや焦燥感が強い場合→抗精神病薬
衝動性の抑制→抗けいれん薬
抑うつが強いとき→抗うつ薬
不眠が強いとき→睡眠導入剤

【薬物療法における注意点】
1.医師からきちんと説明をうける
どんな症状に対する薬なのか、起こりうる副作用にはどのようなものがあるか、きちんと説明をしてもらいましょう。
逆に、薬の説明を納得がいく形で説明できない医師はさけた方がよいです。
2.葛藤が起こることは覚悟する
思うような効果が得られない、副作用が強すぎる、医師から薬の減薬や増薬をされた・・・薬による葛藤はそのままにしておくと医師への不信感につながります。薬の服用については葛藤が起こることを覚悟し、そうなった場合は率直に医師にたずねる、という心持が必要です。
3.正しく服用する
処方された薬を貯めこみ、不安が強いときや衝動性が強いときに一気に飲む方がいます。
そのようなことが起こると、薬をもらえなくなったり入院治療や転院をすすめられたりします。
また勝手にやめると症状が急変することもあります。
定められた量は絶対に守りましょう。

薬に対する要望や実感は、とにかく医師にきちんと伝えることです。
それは、自分の気持ちを言葉で表現する、という障害改善訓練にもなります。
薬物療法は100%ではありませんが、症状を改善するツールの1つであることは確かです。むやみに恐れる必要はありません。

境界性パーソナリティ障害の特徴の1つに「ものごとを白か黒かでしか判断できない」というものがあります。
薬についての考え方についても同じです。
むやみに頼り過ぎない、むやみに不信感をもたない
というスタンスが大切なのです。

次回は、この障害の方が社会生活で一番困難と感じている「対人関係」について書いてみたいと思います。

※今回のコラム上段で赤字で書いた部分「他の治療法と並行してこそ意味がある」について、補足な感情を本日のブログで綴っています。よかったらブログもご覧ください。
http://ameblo.jp/r-kohinata/entry-11581084305.html

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(東京都 / 心理カウンセラー)
フィールマインド 代表カウンセラー

感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

会社員時代にボランティアで始めた電話相談員がカウンセラーとしての原点。退職後にカウンセラー資格取得。その後労働局にてハラスメント相談員を経て現職。相談内容を特化せずどんな言葉でも【聴く】ことに焦点をあてたカウンセリングを行っています。

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