「中小会計指針」各論~その6~ - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

山本 憲宏
山本公認会計士事務所 所長
滋賀県
公認会計士
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「中小会計指針」各論~その6~

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今日は「中小会計指針」の各論の解説の続きです。

 

今回も、「有価証券」です。

 

「有価証券」は、有価証券の分類と会計処理の概要について説明させていただきます。

 

有価証券は、保有目的等の観点から、売買目的有価証券、満期保有目的有価証券、子会社株式及び関連会社株式、その他有価証券に分類されます。そして、この分類に応じて、貸借対照評価額及び評価差額の会計処理が異なってきます。

 

売買目的有価証券とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいいます。

満期保有目的の債券とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)をいいます。

その他有価証券とは、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいい、これには長期的な価格の変動を利用して利益を得る目的の株式、取引先等の業務上の関係から長期保有する有価証券等が含まれます。

 

売買目的有価証券については、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益(営業外損益)として処理します。

満期保有目的の債券については、取得原価をもって貸借対照表価額とします。ただし、取得価額と債券金額の差額が金利の調整と認められるときは、償却原価法により処理します。

子会社株式及び関連会社株式については、取得原価をもって貸借対照表価額とします。

その他有価証券について、市場価格のある場合には、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額(税効果考慮後の額)は洗替方式に基づき、全部純資産直入法又は部分純資産直入法により処理します。ただし、市場価格のあるその他有価証券を保有していても、それが多額でない場合には、取得原価をもって貸借対照表価額とすることもできます。また、その他有価証券について、市場価格のない場合には、取得原価をもって貸借対照表価額とします。なお、債券について、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額とします。

 

原則として、「中小会計指針」も会計基準に準じた処理となっておりますが、市場価格のあるその他有価証券を保有していても、それが多額でない場合には、取得原価をもって貸借対照表価額とすることもできますとして、財政状態に重大な影響がない限りにおいては、中小企業の事務負担をも考慮し、簡便な処理が認められていると思います。

 

 有価証券の保有額が多額でない限りにおいては、財政状態に与える影響が軽微と考えることができますので、有価証券を時価により評価することはないと考えます。

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