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村田 英幸
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閲覧数順 2017年09月26日更新

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病気欠勤を繰り返す従業員への対応

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病気欠勤を繰り返す従業員への対応

 

病気欠勤(病欠)を繰り返す従業員について、病欠日数の上限をもうけることが考えられます。

就業規則上「連続して○日以上、欠勤した場合」と定めてしまうと、断続的に出勤と欠勤を繰り返す場合には対処できません。

そこで、「○か月以内に、合計して○日(または所定出勤日数の○%)以上欠勤した場合」と就業規則で定めることが考えられます。

 

上記例でいうと、所定出勤に数の80%以上と定めることも考えられますが、80%以上というのは年次有給休暇取得の要件ですから(労働基準法39条)、むしろ勤務態度良好というべきで、80%未満程度ならば、労働法では、勤務態度が、せいぜい「並み(普通)」としか評価できないでしょう。

 

年次有給休暇の取得要件として、フルタイムの労働者(通常の労働者)の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数は、五・二日(労働基準法施行規則24条の3第2項)とされ、フルタイムではない短時間労働者であっても、フルタイムの労働者と同等の待遇を受ける労働者の要件は、週30時間以上(労働基準法施行規則24条の3第1項)または労働基準法施行規則24条の3第3項の表記載のとおりです。

上記の短時間労働者は、パートタイマーであっても、フルタイムの労働者と同等の扱いを受けるわけですから、欠勤日数をどこで線引きすべきかは、実務上悩ましいところです。

 

しかし、採用当初、フルタイムの労働者として、雇用したのであれば、労働契約の内容は、例えば、週所定労働時間が40時間であったならば、その内容どおりであったはずです。

例えば、週30時間しか勤務に耐えないというのであれば、雇用契約を労働者と使用者が合意して、改定すればよいわけです。

 

病気から復帰してきて軽作業しか労務の提供ができない場合、使用者には復職させる義務はないのが原則であるとする見解もありました。

しかし、裁判例は、「解雇権濫用の法理」により判断しています。

すなわち、多くの裁判例において、使用者が、短時間勤務、労務の軽減措置、配置転換などを試みずに、いきなり解雇しても、解雇権濫用として、無効になるとしています。

労働法では、民法の解雇自由の原則が、解雇権濫用として無効になる可能性が強い(労働契約法7条)として、原則と例外が逆転していることは周知のことですが、病気欠勤を理由とする解雇の場合も、解雇一般と同様に、解雇権濫用法理の枠組みで考えています。

 

そして、短時間労働、他に配置転換などの可能性を試みたが、無理であったというような場合には、解雇もやむを得ないでしょう。

裁判例では、解雇されるまでの約5か月間で所定労働日数86日間のうち48日欠勤した従業員について、解雇を有効としています(東京地方裁判所平成19・6・8労経速1980号20頁)。

上記裁判例は、欠勤率が約55・8%ですから、病欠日数の上限をもうけるとしたら、そのくらいの割合が妥当でしょう。

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