このような場合で思い通りの結果になったケースは、私の経験ではあまりありません。考えて見れば野球やサッカーといった団体競技で、スーパースターを一人入れたからといってチームがいきなり強くなるわけではないことと似ています。特別扱いされるスターがいることで逆に反感を買ってチームが崩壊していき、かえって逆効果だったなんていうこともあるでしょう。
一方うまくいったパターンもあります。意図的か偶然かの差はありますが、新たな人材のやり方を理解して一緒に動くメンバーがいた場合です。一つは社内から共感者、協力者が出てくる場合で、これは採用した人材の人間力によることもかなり大きいと思います。もう一つはサポートメンバーも合わせて採用した場合で、新規人材の人脈で人を連れてきたケースもあります。
結局どんな優秀な人材でも、一人に何でもやらせようとするのは難しいということです。そもそも人を一人入れたくらいで、それまでずっと出来なかったことが急に出来るようになるなどと考える方が間違っています。
エースを入れることにこだわるより、準エースでも協力体制を作って受け入れることの方が重要であると思います。
このコラムの執筆専門家

- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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