免震住宅の生命線は水平を保つことです。基礎が斜めに傾いてしまうと基礎と上部構造部が繋がっていないため、安定を保つ事が出来ません。摩擦係数の少ない免震装置ほど水平を保つ事が要求されます。
その為、液状化や不同沈下を起こす要因のある土地には向きません。勿論、杭を打設して岩盤層や洪積層に直接建物荷重を伝達出来れば、軟弱地盤でも免震住宅は可能ですが、大阪市内の様なデルタ地帯では、洪積層に達するまで杭を打とうと思えば、一本当たり30〜40mの杭が必要となります。木造の小さな家でも免震装置の倍程の杭工事が必要となり現実的ではありません。
J-shisと云うハザードマップがあります。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/
そこに表示されている、海老色の地域は一概に軟弱地盤とされています。如何に軟弱地盤の上に大都市が形成されているかが判る地図です。不幸にして軟弱地域に該当いれば免震以外の地震対策をお勧めします。
このコラムの執筆専門家

- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
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経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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