小笠原 隆夫
オガサワラ タカオまず目に見える小さな所から変えてみる
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オンライン上のあるコラムを読んでいたところ、現場力を組織の力に高めるという視点で、ニューヨークの治安改善に関する話が書いてありました。
そもそもは地下鉄の凶悪犯罪の抑制が発端のようですが、「ブロークンウィンドウ(割れ窓)理論」といって「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」という理論に基づき、第一弾として地下鉄の治安悪化の象徴である“落書き”を徹底的に消す活動、第二弾として落書き行為、車内喫煙、無賃乗車といった軽犯罪だけを徹底して取り締まる活動を行ったところ、犯罪率は徐々に減少し、劇的に治安が改善していきました。
その成果を見た市長が、今度はこの方法を市警察にも取り入れ、落書き消しや歩行者の信号無視、ゴミの投げ捨てなど、軽犯罪の取り締まりを徹底的に続けた結果、犯罪発生件数が急激に減少したということです。
はじめは「そんなことはやっても無駄」「凶悪事件を減らすことが先決」などの否定的な意見も多かったようですが、小さなことでも実行して目に見えること、体感することが変わると、それが全体に波及していくことがあるという例です。
札幌のすすき野地区でも、“落書き”を“違法駐車”に置き換えて、徹底的に取り締まる活動を行ったところ、2年間で犯罪を15%減少させることができたということです。
組織においても、課題は認識していて、それに向けた対策も考えてはいるものの、検討に時間ばかりかかっていたり、「難しい」といったりして、結局何もせずに先送りしてしまっていることは意外に多いものです。
でも根本的な解決にはつながらないと思えることでも、枝葉の小さなことだと思ってしまうような活動でも、目に見えることから何かやってみることが、大きくて困難な問題の解決にまでつながることもあるという一例です。
拙速かもしれないけれど、何か改善されそうなことならとりあえずやってみるということも、必要ではないかと思います。
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