小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「人それぞれのやりがい」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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人それぞれのやりがい

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2012-01-30 06:00

  私がSEとしてシステム開発の現場にかかわっている頃、某メーカーの女性リーダーとお仕事をしていました。さっぱりした性格の今でいう「男前」な感じの女性で、私としては付き合いやすい方でした。

 

  その方は自分の習慣として、人よりちょっとだけ早く来て、みんなの机を拭いたり花を飾ったりというのが朝の日課だったそうです。(この話はご本人からでなく、周りの方から「あの人偉いんだよ」みたいな感じで聞いた話でした。)

 

  それがある日から、「そういうことを一人にやらせるのは良くない」というような話で、朝その女性リーダーがやっていたことは、その部署のある年齢層までの社員の当番制になったのだそうです。

  その後、女性リーダーの方と何となく世間話をしている時、ふいにボソッと「当番制なのでもうできなくなっちゃったんだよね・・・」と、少し寂しそうに言っていました。

 

  たぶんその女性リーダーの方は、朝の習慣は「自分の仕事準備」として、「自分から進んで」のことであり、「感謝されればちょっとうれしい」程度の感覚だったのではないかと思います。

  でも他の人から見ると、朝の習慣は「単なる雑用」であり、「普通はイヤイヤやるもののはず」で、「一人に押し付けるべきではない」ことだったのでしょう。

 

  他人から見て「誰がやっても同じ」「単純作業」「無駄な手間」「時間を取らたくない」ことであっても、ある人からすれば「自分のこだわり」「大切なこと」「やりがいを感じる」ことであったりします。もちろん逆もあって、他人から見れば「面白そうな仕事」「やりがいがある仕事」であっても、本人はそれほどではないこともあるでしょう。本当に人それぞれです。

 

  会社の仕事の中では、作業効率もコストも個々の適性も、その他のことも総合的に考えなければいけないので、「何でもお好きにどうぞ」というわけにはいきませんが、それぞれの個人が感じるやりがいはできるだけ認めた方が、“やる気”も出るはずです。また、その“やる気”というのは、意外に些細な所に転がっている感じがします。

 

  自分の価値観だけで、これは「無駄なこと」「面倒なこと」、これは「やりがいがあること」「面白いこと」などと決めつけず、相手の価値観をよく知り、それの活かし方をうまく見つけて認めてやることも、モチベーションを高める上では大切ではないか・・・。女性リーダーの何となく寂しそうな様子を思い出すと、そんな事を強く思います。


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