小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「言われなくてもやるか、やらないか」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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言われなくてもやるか、やらないか

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み 2009-06-01 00:00
 組織の中で上司から指示されたことは、基本的にはやらなければなりません。では指示されていないことをどうすればよいのか、これは考え出すと案外難しいことです。
 指示されるであろうと予測してやったなら、褒められることなのかもしれません。自発的に行動できる、指示待ちでない、積極性があるなどと評価されるでしょう。でも上司があえて意図的に指示しなかったのだとしたら、命令違反の余計な行動になってしまい、上司の指示に従わない、組織的動きを乱す、自分勝手な行動とされてしまうでしょう。とても大きな違いです。

 このあたり、実は組織風土や文化にかなり影響される部分なのです。組織や仕組みが固まっていないベンチャー企業などは概ね前者の捉え方をし、官僚的な大組織、大企業だと後者の捉え方をすることが多いようです。もちろん部門、職種、対象となる事象などによっても違い、その時のシチュエーションによっても変わってくるので、これも一概には言えません。ただ風土、文化なので、社員の価値観、感じ方の部分になります。過去からの積み重ねによって作り上げられてきたものだということです。

 そう考えると、例えば「うちの社員は指示待ちばかりで困る」などと言っても、そういう文化を作り上げてきたということも言えます。上司に部下管理を強く要求し、強いリーダーシップ、マネジメントで仕事を進めることを志向してきたとすれば、部下は上司の指示通りに的確に仕事をすることを求められますから、指示待ちスタイルになるのは当然といえます。それまで社員個々の自主性に任せて野放しだった組織に、いきなり仕組みやルールを導入してもなかなか機能しないという状況も、「そんな形式的なことを良しとする文化が無い」ということですから、また逆の意味で同じようなことでしょう。

 会社として望ましい人物像の社員が育ってこない原因は社員個々の問題にされがちですが、会社の組織風土や文化の問題もあるということを意識する必要があると思います。会社として望ましい人物像は、組織風土や文化の中で作り上げていくものだということです。
 もしも思うような社員が育ってこないと感じているならば、組織風土と文化の面からも原因を考えてみてはいかがかと思います。
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