小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ「教えを乞うこと」がうまい人
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ずいぶん前に、知り合いのゴルフインストラクターが話していたことですが、その人は「女性の方が素直にアドバイスを受け入れる人が多いので上達が早い」と言っていました。
女性は、とりあえずどんなアドバイスでも一度受け入れて、それを一生懸命やってみようとする人が多いのに対して、男性の場合はアドバイスしてもなかなか納得できない人がいて、「自分には合わない」とか「それは違う」などという人が結構いるそうです。聞いた話を試そうともせず、門前払いで否定する人は、ほとんどが男性だといいます。
男女で決めつけるのは良くないかもしれませんが、私も似たような傾向があるのを感じることがあります。
例えば、相手が私を人事コンサルタントだと知ると、「自分も人事の仕事をしていたことがある」と言ってくる人が結構たくさんいます。
これが女性の場合は、単に共通の話題作りと思うことがほとんどですが、男性の場合はもう少しいろいろで、「自分も知っている」「素人とは違う」というような、張り合う気持ちやマウンティングのニュアンスを感じることがあります。
中には「同業者はライバル」などと言って、距離を取りたがるような人もいます。自分のプライドを保つには良いのかもしれませんが、それを理由に情報を遮断して、何かいろいろ損をしていることがあるのではと思ってしまいます。
こういうタイプとは反対に、他人からの「教えを乞うこと」がうまい人がいます。相手の知識や経験をうまく使って、自分に活かそうとするので、聞かれるとついいろいろ情報提供したり、手伝ったりしたくなってしまいます。
そういう人に共通しているのは、自分の知らないこと、わからないことを「それは知らない」「わからない」とはっきりと言えることです。マウンティングのような態度はもちろん、絶対に知ったかぶりをしません。
そして、アドバイスを鵜呑みにはしませんが、やるための条件や方法を一生懸命考えて、できることはできるだけやってみようとします。支援する立場からすると、まさに「教え甲斐のある人」です。
実は私自身は、他人に相談したり助けを求めたりするのが苦手で、「教えを乞うこと」がうまくありません。何でも自力で解決したい気持ちが強く、あまり他人を頼りません。
仕事では支える側に立つことが多いので、仕方ないところもありますが、もう少し考え方を変えないと、困ることが起こってくるかもしれなません。ただ、変なプライドはなく、知らないことは「知らない」と普通に言えるので、そういう事態になれば「教えを乞うこと」はそれなりにできると思っています。
「教えを乞うこと」がうまい人は、他人から情報を上手に引き出します。そこには質問の仕方であったり、聞く姿勢であったり、様々な要素が含まれています。
そういう人は、私の周りにもたくさんいるので、まずはその姿を手本にしてみようと思います。
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