小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「積極採用」と「厳選採用」のほどよいバランスを知るには」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
Q&A回答への評価:
4.7/75件
サービス:4件
Q&A:193件
コラム:842件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

「積極採用」と「厳選採用」のほどよいバランスを知るには

- good

社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2021-07-06 07:00

 成長基調で事業が拡大している企業の場合、近年は特に人手不足の傾向が顕著です。

 積極的な採用活動を展開しても、望ましい人材がなかなか確保できません。そうなるとどうしても採用人数を優先しがちになってきます。決して基準を下げているつもりではないのに、無意識のうちにそうなっているケースもあります。

 

 そんな「積極採用」の時によく見られるのは、応募者に対する「善意の解釈」です。

「ちょっと気になるところはあるが、たぶん何とかなるだろう」

「ちょっと能力は足りないかもしれないが、教えればいいだろう」

「直接の経験はないが、経験が応用できそうだから大丈夫だろう」

という感じです。

 

 そして、こういう判断をした結果、総じて見られるのは「やっぱり最初に心配した通りで、結局うまくいかなかった」という状況です。これはあくまで私の経験上の個人的な感覚ですが、初めに心配したことが結局当たっていたという確率は、7~8割くらいはある感じだと思っています。第一印象というのは、結構正しいところがあるものです。

 

 こうなると、本人も仕事がつらい、向いていないという状況を自覚するので、多くが退職してしまいます。会社はまたその人員補充をしなければならず、俗に言われる「ザルで水をすくう」という悪循環に陥ります。採用活動に費用と労力ばかりがかかり、結果はついて来ません。

 

 ただ、これも私が見てきた経験上ですが、成長していく企業には必ずこういう時期があります。知名度が低くて応募者を集められない、でも人材は欲しいという中で、「積極採用」を行う会社では、一度は通らなければならない道かもしれません。

 それで、どうにかして人を増やしながら、積極採用を続けていると、会社の中で徐々に疑問が生まれてきます。「こんなやり方はお金と労力の無駄ではないか」「やはり採用基準が甘いのではないか」と問題提起がされます。

 すると今度は、今までのやり方が効率的ではないということで、「量より質」という方向が強まります。俗に言われる「厳選採用」へのシフトです。

 

 採用スタッフの体制を強化し、今までよりは厳しい採用基準で、「善意の解釈」はやめるという形になっていきます。

 そうなれば当然、今まで採用人数は維持しづらくなり、特に現場からは「もっと人材確保を」という圧力が強まってきます。

 そして、ここから先は、企業によって「もっと数」なのか、「もっと質」なのかの判断は異なってきます。会社状況によって、「積極採用」と「厳選採用」との間でバランスを取り始めます。

 

 企業の採用活動で、数と質のバランスを取ることは、当然のことだと思うかもしれません。ただ、自社にとって最大の「積極採用」と、最大の「厳選採用」の両極端を経験しなければ、中間にあるその時々の適切なバランスを見つけ出すことはできません。

 

 人事の課題解決ではすべてそうですが、会社としての経験の積み重ねが必要です。

 

 

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断

中小法人限定で当事者には気づきづらい組織課題を社員ヒアリングで診断。自社の組織改善に活かして下さい。

料金
無料

組織の課題は、当事者しかわからない事とともに、当事者であるために気づきづらい事があります。これまでの組織コンサルティングで、様々な組織課題とその改善プロセスにかかわった経験から、貴社社員へのヒアリング調査によって組織課題を明らかにし、その原因分析や対策をアドバイスします。予算がない、依頼先を見つけられないなど、社外への依頼が難しい中小法人限定です。社員ヒアリングのみで行う簡易診断になります。

【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断
プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム