小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ時間が守れる会社と守れない会社の違い
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年末に向けて忘年会シーズンが近づいてきました。
私も毎年いろいろな会に参加しますが、お付き合いがあるいくつかの会社からは、会社が主催する忘年会に呼んで頂けることがあります。
会の雰囲気はそれぞれの会社の特徴があって、特に宴会のような場では、社風の違いが出やすいのかもしれません。私は結構興味深く見ているのですが、以前ある会社で、ちょっと感心したことがありました。
その時、私は前の予定が少し押してしまい、会場におうかがいするのが、開始時間のギリギリ5分前になってしまいました。ただ、会社の忘年会というのは、開始時間になっても人数がそろわず、予定した時間通りには始まらないことがほとんどです。
しかし、この会社は、私が到着した時にはすでに全員そろっていて、まさに乾杯の準備を始めようかというところでした。大人数の宴会を予定通りにきっちり始めるというのは、そんなに簡単なことではありません。
その理由は、この会社の日常を見ていると割と明らかで、社長をはじめとした管理職の人たちが、みんな常日頃から、社員に対して時間厳守を言い続けているからです。
この忘年会は、社内会議の後に設定されていたり、会場が会社に近かったり、集まりやすいような配慮はされていますが、そういうこと以前に、社内会議でもその他の行事でも、この会社の時間厳守は徹底されています。
「前から決まっている予定なのだから、自分でちゃんと段取りをして調整するように」と指示され、もしも理由なく時間に遅れたりすれば、かなり怒られるのだと思います。仕事、遊び、その他どんなことであっても、時間を守るということは口うるさく指導され、それが社員に浸透しています。
これは時々見かける光景ですが、顧客とのアポイントには遅れないのに、社内会議にはいつも遅れてくる人や、仕事上の待ち合わせ時間は守るのに、プライベートとなるといつも遅れるというような人がいます。
これは結局本人が、相手を区別して意識的にそうしているということです。その時の状況によって、自分勝手な都合で、「別に遅れてもいいや」とルーズに考えているだけということがほとんどでしょう。
社内のことや仕事から離れたこととなると、多少のルーズさは何となく許されてしまう部分かもしれませんが、他人との約束を守っていないことに違いはありません。そういうルーズさを放置すると、「これくらいは良いだろう」と徐々に基準は甘くなり、それがいつか大きな問題につながってしまいます。
この会社の様子をみていて、挨拶、時間厳守、整理整頓といったしつけにあたるようなことは、日頃の意識付けや習慣づけが特に大切なのだと、あらためて感じています。結局はそれを言い続けて、繰り返して習慣化させるしか方法はないのだと思います。
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