小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「男性では理解しきれない女性の「職場の悩み」」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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男性では理解しきれない女性の「職場の悩み」

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2016-10-04 08:00

 日本産業カウンセラー協会が「働く人の電話相談室」で受け付けた相談のうち、約6割が女性からのもので、悩みを抱える人が男性の2倍以上に上るのだそうです。

 

 また、相談があった悩みの3割は「職場の悩み」で、そのうち4割は「人間関係」、さらにここに「パワハラ」や「いじめ」といったものまで含めると、7割近くが「同僚」や「上司」との人間関係に関わるものだそうです。

 

 女性の方が周囲との人間関係に敏感で、なおかつ繊細ということが言えるのかもしれませんが、私の経験の中でも、男性である私には、ちょっと理解しきれないというようなことは、今まで何度かありました。

 

 例えば、ある会社の女性社員から、「○○さんが視界に入って目障りで仕事がしづらいので、席替えをするように会社に伝えて欲しい」と言われたことがあります。

 その時私は、あまりに大人げないと感じて、少し不機嫌な思いを持ちながら、「そんな子供っぽい個人的な感情には、会社としては対応できないでしょう」と伝えましたが、本人はきわめて真顔の本気でしたから、こういう要望を出すことは、彼女にとっては当然の行動だったのだと思います。

 

 これは極端な例なのかもしれませんが、働く女性から聞く話では、男性同士ではあまり無い、女性特有といっても良いような人間関係に関することをときどき耳にします。

 

 先日は、普段いつも車を使って移動している知人の女性が、勤めているパート先だけは自転車で行くので、その理由を聞いてもみると、現場を仕切っている古株の女性パート数人が、数少ない駐車場を占有しているので、他の人は車では通えないのだそうです。不満はあってもとても言い出せる雰囲気ではないそうです。

 

 またある会社では、勤務態度も良く評価も高い女性社員が急に退職したいというので、その理由を聞くと、ある同僚女性と一緒に働くことが嫌だと言います。くわしく聞いても仕事を辞めるほどのことはないように感じましたが、本人にとっては大問題のようでした。配置換えを打診しても、そもそも視界に入ってくることが耐えられないので、無理なのだそうです。

 他にも、一緒に働く女性同士の人間関係を理由にして、転職を考えたり異動を希望したり、産休からの復職を躊躇するような人がいるという話は、よく聞いていたことです。

 

 男性にとっては小さなこと、些細なように思うこと、男の目線で見ると「感情的」「わがまま」「自分勝手」と見えてしまうことでも、女性にとってはかなり深刻な場合があります。

 

 女性の活躍を考える中では、こんな女性ならではの問題にも注意を払い、環境作りをする必要があるのだと思います。

 多くの会社では、管理職の男性比率がまだまだ高いですから、女性特有の悩みには気づかないことが多いでしょうし、もし気づいたとしても、取るに足らない些細なこと、自分勝手なわがままこととして扱っているのではないでしょうか。

 

 女性活躍のための環境作りは、配偶者控除のような税制や、管理職の女性比率、出産・育児に対する支援などの話が大きく取り上げられています。これらの施策も重要とは思いますが、どれも男性的な発想が強い中で組み立てられたもののような感じがします。

 実際の現場を見ていると、実は職場の小さな人間関係をどうにかすることの方が、当事者である女性にとっては大事なのではないでしょうか。

 

 私も男ですから、こういう女性の気持ちは正直理解しきれないところがあります。しかしこのあたりは、円滑な組織運営という目的のために、男性の立場であっても、理解するように心がける必要があるのだと思います。

 

 

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