小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ「社交辞令」は初めからそのつもりでない時もある
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ある記事で、「ビジネスで使う絶対実現しない社交辞令だと思うフレーズランキング」というものを見ました。
男女別でベスト5が挙げられていて、多少の順位の違いはありましたが、それぞれ挙げられていたのは以下の六つでした。
・前向きに検討させていただきます
・近いうちに飲み(食事)に行きましょう
・近くに来たら寄ってください
・機会があれば一緒にお仕事したいですね
・また、お目にかかれますことを楽しみにしています
・落ちついたら会いましょう(遊びましょう)
これらの言葉、私自身はすべて思いっきり使っています。直接相手に言うこともありますし、メールやメッセージなどの文書で送ることもあります。
でも、こんなランキングに挙がるのは、相手がこれらを聞いたときに「ああ社交辞令だなあ」と受けとめるということなので、実はお相手に対して失礼になっているのかもしれないと、少々反省をしました。
ただ、これらの言葉を初めから「社交辞令」のつもりで、あまり付き合う気がない相手と距離を取るために使う人もいるでしょうが、私自身の気持ちで言えば、必ずしもそうばかりではありません。
「前向きに検討させていただきます」は、社交辞令というより結論先延ばしのための言葉だと思うので、よほどのビジネス上の駆け引きでもない限り、私はどんな場面でもできるだけ使いません。
「近いうちに飲み(食事)に行きましょう」「近くに来たら寄ってください」は、ありがちな社交辞令なのでしょうが、私自身の気持ちで言えば、これを言うお相手とは、本当に飲み(食事)に行っても良い、会えるならまた会ってもよいと思っている時です。結局は実現せずに、社交辞令となってしまうこともありますが、初めから社交辞令のつもりで使っていないことが多いです。
「機会があれば一緒にお仕事したいですね」も、もしそうなったら対応しても良い感じで使っています。でも実現のハードルは高いので、飲みのお誘いよりは、社交辞令のイメージが強いように思います。
「また、お目にかかれますことを楽しみにしています」「落ちついたら会いましょう(遊びましょう)」は、私自身も「きっと実現はしないだろうな」と思いながら、相手の調子に合わせて言っているので、社交辞令として使っている感じがします。
これらの使い方や捉え方は、きっとそれぞれの人によって違うと思いますが、いかにも「社交辞令」と感じてしまうような振る舞いは、やはりあまりうれしいものではありません。
でも、「社交辞令」がムダで不要なことかと言えば、決してそうではないと思います。
私の経験では、初めは社交辞令で終わっていたことが、あるきっかけで2年後に実現したなどということがあります。
「社交辞令」で終わらせないようにと、お相手が気を遣ってセッティングしてくれたこともありますし、自分からそうしたこともあります。これもきっかけがあって出会ったからこそできることです。
「社交辞令」では終わらせたくないと思った時、それを具体的にする行動をとるべきだと思う半面、こういうやり取りも、出会いの最初の入口としては必要なことではないかと思っています。
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