小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「自己アピールの逆効果」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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自己アピールの逆効果

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2014-02-04 08:00

 ある学生さんとの面接でのやり取りです。

 

 「自分の長所は“人が嫌がることに進んで取り組むこと”です」

 「具体的にはどんな取り組みがありましたか?」

 「学校の○○説明会に、クラスの誰か一人が代表として発表しなければならないのですが、みんな嫌がってやりたがらなかったのを、自分も嫌だったけど引き受けました」

 

 自分の長所のアピールなのですが、この言い方や内容だと、相手の受け取り方でずいぶんニュアンスが変わってしまうように思います。

 

 「人が嫌がることを引き受けた」ということはすばらしいことだとして、

“でも結局は自分も嫌だったんでしょ?”

“イヤイヤやってもねぇ・・・。”

“人の嫌がることってこのレベルのことなんだ・・・。”

“社会人は発表する機会っていっぱいあるから、それが嫌だと大変だよね・・・。”

などというとらえ方もあります。

 

 相手のとらえ方によっては、アピールどころか逆効果になっていることもあり得るということです。(私と同席した他の面接官は、実際そのようにとらえていました)

 

 これは“人が嫌がること”という主観的な事柄を、“引き受けた”という入口の部分だけアピールしたせいだと思います。少なくとも“人が嫌がること”を引き受けた後の取り組みについて話した方が、いろいろアピールできることがあると思うのです。

例えば、

 「初めはイヤイヤだったけど、責任もって取り組んで最後まで成し遂げた」

 「発表内容を褒められ、嫌でもやってみると評価してもらえることもあるという体験をした」

 「経験したおかげで、人前で話すことに苦手意識が減った」など・・・。

そして、

 「そんな経験をしたおかげで“人が嫌がること”にも進んで取り組むことができるようになった」などとなれば、誰から見ても立派な自己アピールです。

 

 実際の中身が伴っていないから言いづらいのかもしれませんが、学生さんとの面接の中では、話すポイントや話の主旨と内容が少しずれていると感じることがあります。相手がどんな基準や価値観で話を聞いているかということへの感度が、少し弱いのだろうと思います。こればかりはできるだけ多くの人と接して、相手との距離感をつかむ経験を重ねていくしか改善の方法はありません。

 

 せっかく良い経験があるのに、それがうまく表現できず、相手に伝わらないのはちょっともったいないことです。

 相手の注目している点をもう少しだけ意識することで、今より少しだけでもうまく表現できるようになれば、もっともっと良い結果につながっていくのではないかと思います。

 

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