小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ「嫌なのは初めだけ」ということも多いはず
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私が新卒採用をお手伝いする時、説明会の進行をお任せいただくことがあります。その際参加者の緊張をほぐすために、簡単な自己紹介をやってもらうことがあります。決められた時間内に決まった内容だけで、できるだけたくさんの人と紹介し合うというルールでやります。
参加者の大半は、たぶん本音では初めものすごくイヤイヤです。言われたから仕方なくやっていますが、終わってみるとみんな明るい顔になり、お互いに何となく和みます。
その時私がお話するのは「たぶん仕事になれば、初め気が進まないこと、不安なこと、できればやらずに済ませたいことにはたくさん遭遇するが、イヤイヤでもとりあえずやってみると、意外にそれほどでもない」「意外に簡単だった、楽しかった、向いているかもしれない、なんてことが結構多いはず」「まず初めの一歩を勇気を出して踏み出すことを心掛けると良い」ということです。これは自分への戒めも含めての言葉です。
私の場合は、たぶん就職に際してのことが一番これに当てはまり、当時はサラリーマンが嫌だし向いていないと思っていて、それでもやったことがないのに向いていないというのは説得力がないと考え、とりあえずのつもりで就職しましたが、結果的にはその後独立までの20数年間勤務することになりました。今の自分があるのはその間の経験があってこそですし、本当に向いていなかったらそんなに長く勤められなかったと思います。独立した今でもお付き合いするのは企業の方々ばかりですし、どんな組織の中に入っても、やっていける自信はあると思っています。それも実際に経験したからこそ言えることです。
私の場合、その当時は何となくイヤだということ以外はそれほど深くも考えていませんでしたが、今振り返れば人生を左右するくらいの大きな選択になっています。
ほとんどの人にとって、それほど大げさなことばかりではないと思いますが、「初めは嫌でもとりあえずやってみる」という姿勢は、結構大事ではないかと思っています。
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