小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ「リーダーシップ論」はその人の教義のようなもの?
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ある程度の社会人経験がある方であれば、リーダーシップに関する本の何冊かを読み、研修のいくつかを受講した経験は、たぶんお持ちだろうと思います。
私もリーダーシップをテーマにした研修など行うこともあり、いろいろな書籍を調べるなど、常に情報収集をします。そんな中で、先日もあらためて思ったのは、「リーダーシップ論は多彩過ぎて、正解があるのかないのか良くわからない」ということです。
「リーダーシップ」をテーマにした書籍は、本当にたくさんあります。いくつか手に取って見ると、“率先垂範”とあったと思えば“部下にまかせろ”とあったり、“厳しさ”を前面に出したものがあるかと思えば、“対等な関係が重要”とあったり、“人間の器の大きさ”を強調していたかと思えば“器ではない”とあったり、本当に多種多様です。
リーダーシップをテーマにした研修でも同様で、体系的にうまく整理されたものがたくさんあり、基本的にはどれも「なるほど」と思うものばかりです。こうなると、はっきり言って何が良いやら悪いやらはわかりませんが、きっとみんな正しいのだろうと思います。
そんな中で、私が「リーダーシップ論」をテーマにした取り組みをする時は、本当に基本的で共通の考え方についての解説はしますが、それ以外はあくまでいろいろな考え方の紹介に徹するようにしています。
なぜそうしているかというと、結局「リーダーシップ論」は、語っている人が教祖の「自分教」のようなもので、それならばいろいろな“教義(その人のリーダーシップの考え方)”を幅広く知った方が、何かと役に立つと思うからです。
もちろん一つの“教義”を突き詰めて良い結果を得る人もいるでしょうし、「信じる者は救われる」なんてことも言いますが、その反面で、ちょっとした考え方の違いで排他的になったり、他者否定を始めたりすることもあり得るように思います。せっかくのノウハウなのに、それはもったいないと思います。
やはり「リーダーシップ論」のように、正解がありそうでなさそうな事柄だからこそ、いろいろな考え方を知っておくことが大切なのではないかと思います。
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