おはようございます。山口県のファイナンシャルプランナー、上津原章と申します。

先日、事務所にこのような電話がかかってきました。

　「ブラジル債券の投資信託を売却したのだが、その後の運用先を探している。基準価格（時価）が7000円程度で毎月の分配金が50円づつ出る投資信託があるのだが、それを買ってよいのだろうか。」

といったことでした。即座に、
「これからいろいろと物入りになる時期です。それに、今はギリシャの財政危機の問題も気になります。なんとなく高い分配金が出るからという動機で投資信託を買わないことです。まずは、あせらずに様子を見てください。」
とお答えしました。
　事務所に戻ってその方が口座を持っている証券会社で買える投資信託を見てみました。毎月分配型で、毎月100円の分配金が見込めるものもありました。基準価格（時価）は9500円程度ですので、利回り（税引き後）だけを見ると、

　100円×12ヶ月×0.9÷9500円（×１００％）＝１１．３７％

となり、かなり高い利回りです。ただ、投資先を見てみると、4分の3がブラジルや南アフリカやオーストラリアなど日本に比べ経済規模が小さい国に投資をされています。経済規模の小さい国の通貨は、世界経済の変化で為替が大きく動き、日本円に置き換えたときに大きく損が出ることがあります。　

　大きな利益が見込める可能性があったとしても、その投資信託を買って良いかどうかは購入される方の財産状況、得られる収入、お金の使いみちによって大きく違ってきます。５年先、１０年先まで使う予定がないのであればリスクが高い投資信託を買ってもよいでしょう。本当にそのようなお金かどうかは、将来の預貯金や金融資産の残高をシミュレーションしてみると、より的確に分かるように思われます。

　皆さんも、もっと良いお金のふやし方を探される前に、お金のことをきちんとシミュレーションしてみませんか。きっと納得のいくお金のふやし方が見つかると思います。