対象:リフォーム・増改築
築50年の陸屋根の軒下がはがれて落ちてきたため業者にみてもらったところ、コンクリート自体が弱っているので防水しても10年もたないと言われ、勾配屋根(ガルバリウム)を載せることを勧められています。祖父が残した家で、出来るなら今のままの屋根の形を残ししたいのですが、老朽化で無理なのでしょうか。何かよい方法はないでしょうか。また、弱ったコンクリートの上にいくら軽量とはいえ、屋根を載せても大丈夫なのでしょうか。崩れたりしませんか? 今後のメンテナンスサイクルなどもあわせて教えていただきたいです。よろしくお願いします。
imaさん ( 東京都 / 女性 / 39歳 )
回答:2件
漆原 智
建築家
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陸屋根の修理について
imaさん、初めまして。
コンクリートの強度は一般に60年といわれています。
しかし、いきなりコンクリートが劣化するのではなく、中に入っている鉄筋の強度の方が大事なのです。
コンクリートは押しつぶす力(圧縮強度)には、非常に強いのですが、
引っ張るような力(引張り強度)には、弱い特徴を持っています。
それを補う目的で、引張り強度に強い鉄筋を中に入れて、相反する条件をクリアしています。
コンクリートが古くなると、アルカリから中性になってきます。
鉄筋は、最初はアルカリのコンクリートに守られていますが、だんだん中性化したコンクリートの中で、錆びてしまいます。
鉄筋の錆び具合で、耐久性も変わってきますね。
軒天がはがれて落ちてきた状態まで放置されていたようなので、そのままでは難しいかもしれません。
業者さんは、何らかの補強をされて勾配屋根を乗せられるのではないでしょうか。
今のままの形を維持されるなら、補強改修が必要ですが、費用は覚悟する必要があります。
10年前後で、定期的なメンテナンスを行うことが、建物自体の寿命も延ばせますし、
かえってメンテナンス工事費は安くなると思います。
参考になれば幸いです。
森岡 篤
建築家
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コンクリートの耐久性
imaさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
コンクリートの耐久性は、コンクリート材料自体、打設条件、鉄筋の状況、仕上があるかどうか、環境の条件等によって変わり、一定の寿命があるわけではありません。
コンクリートは、当初はアルカリ性のため、内部の鉄筋の錆を防ぐのですが、年月と共に、表面からアルカリが抜け、中性化と呼ばれる状態になります。
中性化が進むと、内部の鉄筋が錆びる可能性があり、錆びると膨張するため、コンクリートが剥がれてしまいます。
中性化したとても、必ずしもコンクリート強度が落ちるわけではありません。
コンクリートの耐久性は、中性化と強度を、検査機関で測定することで把握することができます。
コンクリート自体が弱っている、と言った業者は、何を根拠に言ったのでしょうか。
防水しても10年もたないコンクリートに屋根を載せても大丈夫かとの疑問は、全くその通りだと思います。
一度、信頼できる専門家に相談されたらいかがでしょうか。
一般論で言うと、防水を補修してもつかどうかより、耐震性能の方が問題なのではないかと思います。
参考にしていただけたら幸です。
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