対象:労働問題・仕事の法律
昨年転職しました。
転職時の採用決定書には、2009年度の年棒は、2008年度の業績を評価し、決定すると記載されています。
ところが、2009年度の年棒査定の説明時に、『あなたは転職1年目なので、昇給昇格対象ではありません』と説明されました。
転職者は次年度の年棒評価対象ではないという規定は、会社の労務・報酬規定のどこにも記載されておらず、人事担当者に質問すると、記載はないが習慣的にそのように運用されているとのこと。
実情は採用したものの能力がまったく不足しているような人に対して、転職時年棒を保障する規定にしたくない、との意向があり、規定に明示していないということらしいです。
しかし、なんだか詐欺にあったように感じるのですが、交渉の余地はありますでしょうか。
転職者なので、人事担当者の心象を悪くしたくない、との気持ちもあり、迷っています。
rydeen1999さん ( 埼玉県 / 男性 / 46歳 )
回答:1件
本田 和盛
経営コンサルタント
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転職先採用決定書の記載内容の効力について
凄腕社労士 本田和盛です。
採用時の労働条件について、労働基準法15条で「使用者は、労働契約の
締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しな
ければならない」と規定し、特に賃金については、労基則5条において、
「賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに
昇給に関する事項」を明示するよう定めています。
基本的でかつ重要な労働条件に関しては、上記のように労働契約締結時
に明示するよう定められておりますが、それ以外の労働条件については、
就業規則や労働協約、慣行等によって補充されると一般に、考えられてお
ります。
今回の転職に際して、「昇給に関する事項」として「2009年度の年棒
は、2008年度の業績を評価し、決定する」と記載があるのであれ
ば、それが契約内容になっていると考えられ、少なくとも2009年度の年俸
に関しては、会社はそれに拘束されると考えるべきでしょう。
ところで、転職者については昇給昇格対象ではないということは、前年
度の年俸、つまり採用時の年俸を保障してくれるということでしょうか。
年俸制であれば、評価によって次年度の年俸額が下がることも当然あり
得ると思いますが、当初期待した成果を上げられなかった社員について
も、会社は採用時年俸を保障しているのでしょうか。その点はどうですか。
あなたが、入社初年度に高い業績を上げたので、次年度はより高い
年俸額を期待していたが、評価対象とならないために、初年度と同じ
年俸額に止まったため、不満をお持ちになったのであれば、会社に
対して適正な評価を実施するよう求めることは可能です。
rydeen1999さん
運用はグレーゾーンを残しているようです
2009/05/25 09:38回答ありがとうございました。
人事担当者の説明によると、『中途入社初年度の年棒を次年度も保障すると明記すると、極めて成績不良の社員への評価が不適切になるため、このような運用になっている』とのことでした。
言い換えると、プラス評価はしたくないが、マイナス評価ができる余地は残しておきたい、ということでしょう。
私の業種は短期間で目覚しい業績を上げることができるような業種ではないため、評価、査定について強く主張すべき事項はありませんが、なし崩し的な運用に、会社としての不誠実さを少し感じます。
rydeen1999さん (埼玉県/46歳/男性)
(現在のポイント:-pt)
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