対象:ITコンサルティング
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請負契約におけるサービスや成果物に追加が発生した時の
考え方を教えていただけたら幸いです。
SI においては特に、さまざまな理由で発注元から請負側へ追加要求が
行われることがあたりまえになっていますので、想定される
追加部分については双方どの程度のサービスや成果物追加までなら
許容するかを予め取り決めておくのが一般的だと思います。
しかしもし、そのような取り決めを超えるような追加作業が発生し、
実はそれを満たさなければ、初期計画時に規定した機能も満たせない
ような場合はどう処理すればよいのでしょう。
例えば古いシステムを新しいシステムに刷新するような案件で、
契約を取り交わし、仕事を進めていくうち、旧システムからの
データ移行が必要であることが分かったような場合です。
(実際のビジネスにおいては完全に開発側が思慮不足とは思いますが・・・)
? 契約書の中に「移行作業」についての、またはそれをうかがえる文言が
一切なかった場合、請負側は(ビジネスではなく)法的にこの作業を
提供する義務はありますか?
? 仮に、その作業を折り込むとして、請負契約に謳った期日に成果物の
納入や検収が間に合わない場合は契約違反ということになりますか?
? 個人的には追加部分の内容と費用、期日を再設定し、初期計画を
上書きするような契約を行うのが、落としどころと考えていますが、
実際はどうなるのでしょうか。
出来れば、法律の専門家に教えていただけるとありがたいです。
mtさん ( 東京都 / 男性 / 42歳 )
回答:4件
ご参考にして下さい
法律の専門家ではありませんがご参考にして下さい。
システム開発では最終目的を満たすために必要となる動作条件や作業項目は
請負側が提示しなければなりません。
例のような場合、既にデータがあるシステムの移行なので、たとえ契約書に
文言が無かったとしてもデータ移行は要件の範疇だと思います。
(文言の有無を言い始めると契約書が限りなく膨大になります)
開発側には厳しいですが、意図的な契約後の作業追加を防ぐ為には仕方無いと思います。
但し発注者が必要な情報を正確に伝えていない場合は協議の余地があると思います。
また、移行作業を発注者が行える環境であればどちらが実施するか協議の余地はあります。
このようなグレーな部分は、契約書の協議の取り決めや最悪裁判所の指定に従って
進めるしか無いと思います。
因みにデータ移行レベルの話しでしたらmtさんのご認識の通り確認不足として
開発側が面倒を見るケースがほとんどだと思います。
その場合でも、もしも正確な見積を提出していたのであればデータ移行作業などは
完全に開発側負担で、発注側が得をしている事は発注者から見ても明らかです。
発注者が開発会社を長期的なパートナーと考えて頂けているのであれば、温情的に
別の条件と交換してもらえるかもしれません。
このような協議を行っても話しが進まない場合は法律の専門家へ具体的な情報を
全て提示し相談する必要があります。
専門家でも実際の契約書及びその関連書類・やり取りのメール等をかき集めないと
ご質問1〜3のような内容へ断定的な回答はできないと思います。
(TV番組にありますが法律の専門家でも解釈がよく別れますね)
mtさんの仰るように「追加要求が行われることはあたりまえ」となりつつある
システム業界ですが、どのようにすれば追加要求を出にくくできるのかを
日々考えています。今後も情報発信を続けたいと思っています。
評価・お礼

mtさん
日付も切り替わる時間帯のご対応、大変恐縮です。
今後は登録の時間帯を配慮するようにいたします。
? 仰るとおり、データ移行は契約書が完璧でなくとも作業実施が
必須になってくるということは理解できますね。
システムにはロジックの実装だけでなく、データも必須ですから。
その意味でわたくしの質問における「データ移行」というのは
不適切でした。
ただ、ご助言から、
請負人である開発サイドは、システムの実現に至るまでの
アクティビティを一通り熟知していることが業界で
要求・認知されているとしたら明記されていないものについても
漏れなく吟味するべきで、作業項目を外す意図があるなら最低でも
契約書に明記するべきということになりそうですね。
そうでない場合は無償対応のリスクがあると。
? 「データ移行」以外でこうした事態になってしまった場合
(請負人の言い分も法的に妥当であったが、初期契約に基づき
仕事完成義務を満たすには追加作業を実施しせざるを得なく、
実施してもなお、履行遅滞となってしまう場合)
には、確認書または覚書のようなもの(タイトルは何であれ書面)
を交わすべきなのではないかと思った次第です。
日本の慣習からは、濱田様の仰るように温情的措置で双方の痛みを
最小限にするように計らわれることも多いでしょうね。
? 契約の上書きは、一般的ではなさそうに感じてきました。
再度、参考になる内容を、大変ありがとうございました。
回答専門家

- 濱田 崇
- (神奈川県 / ITコンサルタント)
- 代表取締役
そのシステムは必要か?見積りは適正か?第三者の立場から助言
「金をかけたのに使えない」これらはシステムを導入した企業からよく聞かれる言葉です。致命的な問題を回避し、高いパフォーマンスが得られるシステムを導入できる手法を書籍でも紹介しています。お陰様で高い評価とご満足を頂いております。

村本 睦戸
ITコンサルタント
-
現実問題として・・・
こんにちは。ホロデックスの村本です。
わたしも法律専門家の立場としてではありませんが、業界人として回答させていただきます。
***結論として、「一般的な考え方」というものはないと思って頂く方が、現実的だと思います。
その起こった問題に対する対応という個別事象の問題ですし、立場によってゴールをどこに持って行くかが変わっていくと思います。
ご質問者の立場は、コンサルタント?発注者?開発請負者?
どこにあるのでしょうか?
いずれにしても、まずこのような問題が発生した場合、作業見積を請負者は出して、発注者&コンサルタントとの話し合いからスタートだと思います。
どのような追加事象にしろ、責任問題の前に、いつどのようなカタチでシステムを稼働させるか?という問題を解決するべきです。
**発注者&コンサルタント側としては
いくら金をかければ、問題のない期間までに、システムを稼働させるかが大事です。
ですので、その対応として「途中検収して、契約打ち切り。別会社に依頼。」「納期延期でシステム完成後、いずれかのカタチでの請負会社に金銭の支払いあるいは請求」となるでしょう。
**請負側としては
通常「追加契約」は、発展的な場合です。ご質問のケースは現実問題として非常に少ないとは思いますが、もし発生したら、その発注会社との関係を維持するのか、しないのか?で、ゴールは変わってきます。作業費をどう考え、そのコストをどう発展的に補填していくかが課題でしょう。
私見ですが、「責任問題」として解決のスタートをきるべきではないと思います。
問題が発生したら、感情問題は別として・・・・
*問題を具体的なモノ(コストなど)に換算してから、話し合うのが基本ではないでしょうか?
補足
追加コメントいただきありがとうございます。
お立場とお気持ち、もっともなことと存じます。
「2」のケースについては、通常よくあるパターンとしては、契約書には
「解除」にあたるケースとして記述される場合が多いと思います。
さらに、「日割の損金」「損害賠償」項目などを記して対応される企業もございます。
しかし、追加コメントの中に指摘されたように、「協議事項」として話し合いにし、「3」をゴールにしたいというのであれば、もともと「契約」というのは、双方がお互いに納得するためにあるツールです。
お考え通りで良いのではないでしょうか?
評価・お礼

mtさん
ご回答をありがとうございます。
個人的な立場としては発注者にはなるのですが、
発注側でも担当者はプロジェクトマネージャであり、
したがって、契約、調達、リスク管理に関する質問に
なります。
実際上、契約上のトラブルは当然、ビジネス上の配慮を
持って処理されることになりますので、
> 「一般的な考え方」というものはないと思って頂く方が、
> 現実的だと思います。
というのはまさしくその通りと思っております。
しかし、担当として、法的なルールを知ることは
BATNA を準備する上で有効であり、どのような対応を
採るにせよ、欲しい情報です。
なぜなら、請負人との交渉に際しても、スポンサーに
対応内容の根拠を説明するにしても、法的なルールは
客観性の極みであり、最大の説得力を持つ
ものであるからです。
村本様の
>「途中検収して、契約打ち切り。別会社に依頼。」
という部分につきましては、解除権の行使にあたり、
初期契約に相当する作業も切り捨てることになります。
この場合、追加作業以外のトラブルがないとすると
請負側にも気の毒ですし、再調達は発注側も辛いので、
なんとか追加作業部分のみに焦点を当てることとし、
その場合の? の疑問、そして手続きとして?のような
考え方で妥当なのかという視点でクリアに出来たら
幸いです。
「本来はこのようなルールですが、それでは双方にとって
不幸なので、このようにしませんか。」と話し合いを
持ちたいわけです。
わたくしの表現不足につきましては
なにとぞご容赦ください。

岡本 興一
ITコンサルタント
-
元々の契約内容によります
おっしゃっておられる通り、詳しいことは法律の専門家にお聴き頂く必要があると思いますが、ベンダーと発注者側の間にはいるITコーディネータとして、コメントさせていただきます。
ご期待されている回答にはならないと思いますが、何卒ご容赦願います。
* 1. 契約書に仕様を詳細に記載している場合
契約書にて、何をするかを明確にしているわけですから、追加要件が出れば、原則として追加料金が発生します。(営業的にどうするかは別)
* 2.契約書には要件のみが記載されている場合
この場合は、要件を達成することが契約条件ですから、追加作業が発生した場合のコストは、原則として開発者側が負担することになります。
ただし、事前に十分な情報開示がなかく、開発者側で予見できなかった場合はこの限りではありません。
いずれにせよ、初期の契約内容通りに納品できなくなるのであれば、条件変更が発生します。
その場合、費用等の条件は話し合いになるはずです。
なお、開発者側と発注者側で十分な二信頼関係を築くことが成功の条件と思います。
また法的係争まで発展すると、法的対応最低限のラインしか成果物の完成度は出てこないでしょう。
「書いていないけどこれくらいはできてほしい」と思っていることについては、契約書に記載していないのであれば履行する必要性は低いという解釈も成立します。
そうなると、当初のシステム開発目的を達成できないが、費用は払わねばならないということも起こりえるわけで、できるだけ法的な争いに発展させることは避けるべきかと思います。
また、システム開発の問題は開発者側に一方的に責任があるということはまれです。
発注者側にも責任の一部があることが多いこともあり、法的係争の焦点となることがある様です。
集客につながるホームページ
ネットとセキュリティ〜ウィジット株式会社
岡本興一
評価・お礼

mtさん
(1) 両者予想外の追加作業
契約書に仕様が詳細に記述されている場合:
注文者が追加負担しなければならない可能性が高い。
契約書に要件が記述されている場合:
請負人が負担しなければならない可能性が高い。
(2)両者予想外の追加が初期契約の履行遅滞につながる場合
これは、契約変更が必至ということですね。その内容は(1)における前者、後者の状況やビジネス的な関係によって幾通りにもなるということですね。
(3) 落としどころ
まずは、岡本様の「開発者側と発注者側で十分な信頼関係を築くことが成功の条件と思います。」ということなのでしょう。
契約内容を吟味するとともに、請負人との関係を充分配慮することにします。
ご回答をありがとうございました。

上原 正吉
Webプロデューサー
-
法律的観点でいえば
弁護士さんとこのようなケースをなんどかクライアントでうけもった経験です。
>1の答え
難しいです。
通常は、なぜ移行作業が必須だと、「立証」する必要があるからです。
(常識だからでは難しい)
>2の答え
織り込んだ時点で、新しい契約です。
ですから、新しい期日でも契約できますし、
元の契約書を部分上書きできます。
>3の答え
これも、よくあります。
ただし、契約をする前に、一度専門化に見て貰ってください。
なぜなら、再契約したことで不利になる場合もあるからです。
そして、弁護士さんも向き不向きがありますので、
ITを知らない弁護士さんの場合は苦労するでしょう。
そして、意外な落とし穴ですが、「裁判官がITをわかるか」というところも
結構重要だったりします。(自分で選べませんが)
結局判断するのは裁判官ですから、裁判官に、ITを知らなくても、
これは当然だと思わせる事ができる弁護士でないと、泥沼化するおそれがあります。
なので、訴訟はもの凄くコストと労力がかかります。
期間として一年は最低覚悟してください。
(立証する為の資料作りも自分の仕事になります)
200-300万の損害なら(くやしくても)、示談する方向が、結局は得になります。
*発注スキルをみがきましょう
たとえば不動産で礼金が返ってこないのは知らなかったケースにおいて
この場合、知らなかった人が悪いのでしょうか?
常識だと思い説明を怠った業者が悪いのでしょうか?
人道的に悪い良いなどは当然ありますが、
結局損をするのは自分なので、
常に「発注スキル」を磨いていく必要があると思います。
それか、第三者的に開発を見てもらえる
「コンサルタント」を挟んで開発するかです。
スキルがある人間にダマシは聞きませんので、
相手も油断できなくなり緊張感がうまれます、
最終的に納期などもきちんと管理されコスト的に得をします。
僭越ながら弊社でも、そのような管理サービスをしておりますので、
ご要望があればお気軽にご相談ください。
評価・お礼

mtさん
ご回答をありがとうございます。
このような、具体例に基づく断定的な回答が非常にありがたく、本心から求めるところでございます。
システム開発においてはあらゆるリスクを排除する必要があり、常に回避されるべき法的な争いも、そのこと自体が大きなコスト上のロスとスケジュール遅延を発生するリスクとして捕らえなければなりません。
例えばピーク時200人月程度の参画者が予想されるような案件において、契約うんぬんで揉めることで一ヶ月遅延すれば2億円以上の損失が発生します。両者折半となっても大きな痛手です。
従って、現実に抗争となった場合の法的解釈と根拠をここで確認し、それをもとにビジネス的な立ち回りの考え方、契約の配慮点を検討しようと思った次第でした。
本件については契約におけるほんの一つの例に過ぎないわけですが、皆様の一連のご回答に含まれていたようないくつもの注意点、考え方等を得ることとなりました。
これ以外にも契約に関する疑問点はたくさんございます。しかし、システム開発においては契約ばかりが疑問点を生み出すものではなく、それ以外にいくつもの悩みが生じてまいります。
解決にあたっては手段を選ぶことなくあたるつもりですし、そもそも解決しなければならない状況にならないように助言をいただく機会があればそれも検討していこうと思います。
大変参考になりました。感謝いたします。
(現在のポイント:-pt)
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