対象:ペットの医療・健康
昨日うちのポインター(去勢雌6歳)が肥満細胞腫と診断されました。
後ろ足の付け根と、右脇腹にポツンと脂肪だまり(1cm強くらい)ができて、
念のため獣医に診せたところ、細胞検査の結果、肥満細胞腫とわかりました。
調べたところ、現時点で3カ所の腫れ(右足1cm弱、脇腹1cm、後ろ足付け根1.5cm)
があります。
状態は元気で普段と変わりありまでせんしたし、食欲もありますがので、
それまで気にはなりませんでしたが、ここ数ヶ月で4kg体重が減っています。
また、便の表面に粘膜のようなものがついている気がします。
昨日診ていただいた獣医さんは、ステロイドと抗生物質を1週間飲ませ、
2月6日に体3カ所の腫瘍の切除をしましょうということになりました。
痩せていること、またかなり離れてる場所に複数できてることを考えると、
内臓にも転移している可能性が高いのでしょうか?
その場合、切除手術が負担になり、命を縮めてしまうことになりかねないような気がします。
このような状態で、手術は有効でしょうか?
アドバイスをお願いいたします。
数年前に、ゴールデンをリンパ腫で亡くしているので、ショックで
夕べは眠れませんでした。
はっしーさん
回答:2件
犬に肥満細胞腫について
犬に肥満細胞腫については、その腫瘍の数とリンパ節転移の有無によって、ステージ分けがされていて、また肥満細胞腫の腫瘍細胞の病理的分類でグレード分けがされています。近隣のリンパ節に転移が認められるステージ2でも、腫瘍細胞がグレード2と判定された場合と、グレード3と判定された場合では、予後の平均が10倍近く変わってきます。
また、これまで、内股部や、肛門の近くに腫瘍がある場合は、予後が悪いといわれてきましたが、最近は、きちんと手術して、リンパ節もちゃんと取っていれば殆んど同じであろうと言われています。 切除が不完全にしか行えなかった場合でも、術後、放射線療法の補助療法を行ってあげればよいのです。
腫瘍細胞のグレード2と3では、予後にとてつもない差が出てきて、この判定はとても重要なのですが、病理学者によって判定が異なってしまうという難点があります。それは病理の先生の責任ではなく,肥満細胞自体がとても判定の難しい腫瘍の一つであるということなのです。
埼玉県所沢の日本小動物医療センターにある、日本小動物がんセンターや、東京都府中市にある東京農工大学獣医学科では肥満細胞に精通されている先生がいらっしゃいます。
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RE:犬の肥満細胞腫について
今後の治療方針を決定するためには、腫瘍がどの程度広がっているかを把握する、「ステージ分類」が必要です。
肥満細胞腫の病態は非常に多様で、外観だけで状態を把握することはできません。そのため、
血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを併せて行い、肥満細胞腫の影響が血液に出ているか、そのほかの臓器に異常が認められないかなどをチェックします。
その結果、明らかな転移病巣が認められ、非常に状態が悪いケースでは外科切除を行わないという選択肢もあるかもしれませんが、元気食欲に問題がなければ通常は外科切除が第一選択となります。そして、切除した腫瘍の組織を検査し、細胞の悪性度やマージンを評価します。
転移がない場合は、早い段階で十分なマージンをとって切除できれば予後(その後の経過)は良好です。転移が認められる場合は、切除後に化学療法や放射線療法を併用することがありますが、切除をしないわけではありません。皮膚の病変部を残しておくと、大きくなって痛みがでたり、炎症をひきおこす物質をどんどん作り出してしまうことが多いので、外科切除は可能であればできるだけ早期に行います。 また、腸管に転移がある場合は、予後はあまりよくありません。
はっしー様のご状態では、基本的には切除手術をお勧めすると思います。しかし、その前に他の臓器への転移や血液の状態を調べ、ある程度の予後を推測する必要はあるでしょう。担当の先生にもご相談頂き、十分納得された上で切除手術を受けられることをお勧めします。
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