生理時の大量出血

生理と言いましても、人の女性の生理と違いまして、排卵前の発情期にたくさんの出血が見られます。この時期は血中のエストロジェンと言うホルモンの濃度が高い状態にあります。このホルモンは血液凝固系の反応を抑制しますので、幾分出血が止まりにくい状態になっています。ご質問のケースでは発情終了後の出血の少なくなり具合が、書かれていませんので何とも言えませんが、排卵近くで急速に出血が無くなってくれるといいのですが、1週間、10日以上相当量の出血が続くようでしたら、検査の必要が出てきます。当院で一度、発情終了後も、膣壁に出来た良性の腫瘍から、出血が続いたケースがありました。

また、出血量にはとても個体差があって、発情期にあるのに全然出血がなく、周囲の雄犬が反応しているのを見て発情が判るという仔から、出血がひどくて、貧血になるので避妊手術をした仔までありました。

発情時の出血量は開始から徐々に増えることが一般的です。10日目ぐらいがピークとなるのですが、個体差があり、大型犬の場合は出血量が多くなる傾向があります。犬の発情時の出血は排卵に備えた子宮内膜の充血と、エストロジェンというホルモンによる働き(血液凝固反応を刺激する)が重なった結果としてあらわれます。出血が多いときにほかの体調の変化がないようならあまり心配はいらないと思います。もし、何日も大量の出血が続いてしまうのであれば、念のため貧血になっていないかどうかの検査を受けてみた方がよいと思います。