対象:ペットの医療・健康
4歳のボロニーズの雌です。お腹を触っている時乳首の一つが少し腫れているようで、その下の所に小さなしこりもあったので、病院に行きました。腫瘍と診断され、すぐに摘出してもらいました。しかし病理検査の結果が悪性であったため、残りの乳腺全摘出手術をする事になりました。まずは腫瘍のみつかった右側を摘出し、現在は左側の摘出のために、皮膚の回復を待っています。
病院の説明では、転移しやすい腫瘍、しかも悪性であるために、手術をしても100%完治は難しいと言われました。家庭では今後どのような生活をさせていけば良いのでしょうか?またペット用のサプリメントなどは効果が期待できますか?腫瘍の薬は飲んでいます。
この子はブリーダーの放棄犬で、長くケージ暮らしをしていました。昨年末に我が家に引き取り、体重も増え、毛並みも良くなって、家庭犬として穏やかになって来た所です。少しでも長く、この子が幸せな暮らしができるようにしてやりたいと切に願っています。よいアドバイスをお願いします。
mokomokoのママさん ( 愛知県 / 女性 / 50歳 )
回答:2件
乳癌と手術
主治医の先生は、エビデンスベイストメディスンを大切にされていらっしゃるとても基本に忠実な先生だと思いました。多くの動物病院では、なかなかここまで踏み切れないのが現状です。特に胸部の乳腺は、皮下に広範囲に薄く広がっていたり、筋膜にへばりついていて筋組織ごと採らざる得なかったりで、残さず切除しきってしまうのはとても大変です。当然不安な場合は、基本に従って、術後、制癌剤投与を実施するか、放射線療法をすることになります。
人の医学の場合は、疫学的調査から、単一のしこりで、近隣リンパ節に転移が見られない場合は、乳房温存の部分摘出と、拡大手術とでは予後に差はないと結論付けられています。
獣医学においては、乳癌に対してにこういったきめ細かな疫学的な調査が終了していません。ですから病院によって、そのしこりだけを採ったり、しこりのできた片側の半分もしくは片側全部と脇下、鼠径部のリンパ節を切除して様子を見たりしています。また、術後も抗癌剤や、癌抑制の効果が認められているベータグルカンなどのサプリメントを処方する病院もありますし、しない病院もあります。つまり、上述したような乳腺を完全に採りきれなかった可能性が残ってしまうなら、最初から全摘出しなくてもいいのではないとの意見です。
また乳癌には、卵巣ホルモンの影響を受けて増殖するものもありますので、乳腺組織摘出術と卵巣子宮摘出術を同時に行うことも多いです。
獣医学における乳癌の対処法に関しては、このように様々で、どれがベストかは判断されていません。飼い主さんが、ご自分のワンちゃんの場合はどれを選択するのが良いか、主治医の先生とこれらの現実をふまえてお話になられればよいと思います。
評価・お礼
mokomokoのママさん
回答ありがとうございました。主治医の先生はとても良い方で、素人にもわかりやすく丁寧な説明をして下さいます。また手術も大変上手で、傷跡はほとんどわからないくらいに回復します。
今後のケアについては、もっと良く話あっていきます。
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RE:悪性腫瘍
腫瘍に対するペット用のサプリメントは基本的に動物の免疫力を向上させるものであり、腫瘍そのものを治すものではありません。その効果も劇的に効くということではありません。
ただし服用することで体調が安定するケースがあります。あくまでサプリメントとして補助的に使用すると良いと思います。手術から回復した後は定期的に健診を受け、動物病院とよく連携をとりながら今まで通りの生活をさせてあげましょう。
(現在のポイント:-pt)
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