対象:特許・商標・著作権
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はじめまして、某インターネット企業でwebデザイナーをしております。
実は、以前(3年ほど前)に私がディレクションを手がけた某コミュニティサイトと
外面的に極めて酷似したサイトが最近オープンしているのを発見して、
個人的には誇っていいものか、怒っていいものか、なんとも微妙な気分になっております。
(会社としては、文句の言いようを色々と検討しているようですが…)
私が手がけたコミュニティサイト自体、国内外のインターネットサイトから良いところを拝借してきている部分もありますが、
メニュー配置や各種画像素材のデザイン、サイト構造の設計などには随分と苦心し、
手前味噌ながら、サイト開設当時にはそのオリジナリティと先進性で業界各所の話題にもなりました。
インターネットサイトのデザインを巡っては、
Yahoo! Japanやmixi、モバゲータウンなどのいわゆる先行&成功サイトを模倣することが
業界内ではひとつの方法論として定着しており、
また、それ自体法律的には問題にならないという論調が支配的かと思います。
個人的にはインターネットの自由な雰囲気が好きなので、
大手を振って文句を言うつもりはありませんが、
それとは別の話として、ディレクターやデザイナーが苦労して創り上げる作品が
一般論として、著作権、意匠権などの保護の対象になるものなのかどうか、
(財産として認められるものなのかどうか)皆様のご見解を伺いたく存じます。
宜しくお願いいたします。
疾風さん ( 千葉県 / 男性 / 36歳 )
回答:2件
返答
一昨年くらいに弊所クライアントが、係争対象がwebサイトではありませんが、情報誌における編集レイアウトに関する著作権侵害事件で敗訴したとの報告を受けました。編集レイアウトは、単なるアイデアであって著作権の保護の対象ではないということが根拠のようです。
情報誌における編集レイアウトとwebサイトのメニュー配置との間には共通点も多いと思われますので、現実問題としては、著作権による保護は厳しい面があるかもしれません。
一方、画像素材に関しては著作権の保護の対象であるとされています。例えば、他人のwebサイトに掲載されている画像を無断で自己のwebサイトに引用すると著作権侵害と判断されると思います。
サイト構造の設計は、具体的な内容が特定しきれませんので、的外れの回答かもしれませんが、例えば設計図のように表現されたものであれば著作権による保護も可能です。
意匠につきましては、一定条件を満たせば、保護対象となります。ただし、webサイトの画面自体は保護対象とならないので、おそらくご希望されているであろうような保護は厳しいと思います。
評価・お礼
疾風さん
素早いご回答をいただき、ありがとうございます。
なんとなくHTMLのソースコードは著作物として認められないんじゃないかと、半ば諦め気味に考えておりましたが、(創造性とかの必須条件はあるでしょうが)著作物として認められ得ると伺って、(変な話ですが)自信というか誇りを取り戻した気分です。ありがとうございました!
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サイトデザインの知的財産権(著作権)について
著作物は、思想または感情を創作的に表現したものであって文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものとされています。
現在、ウェブページは、HTMLなどの構造化文書で作成され、クライアントのウェブブラウザにより表示されています。
また、現在のウェブブラウザのパフォーマンスでは、構造化文書を介してアプレットによる動画や、Java(登録商標)Scriptによる処理など、種々の機能が提供できます。アプレットやJava(登録商標)スクリプトは、当然プログラムですから、ウェブページが単に情報の提示に止まらず、ウェブページ自体の創作性が認められれば、ウェブブラウザが実行可能なプログラムとして著作権が発生すると考えてもよいと思います。
なお、ウェブページでの情報提示方法については、著作権ばかりではなく、特許法による保護も受けることができる場合もあります。
また、ディレクターなどが、他の著作物などを編集して作成する著作物は、創作性が高い場合、編集著作物として認められるようです。ただし、編集対象が著作物である場合、原著作物の著作権侵害となる場合もあります。
一方、デザイナーなどが作成した作品についても、意匠法や著作権法で保護される要件を満たす限り、財産権として保護されると考えられます。
評価・お礼
疾風さん
ご回答ありがとうございます。著作権だけにとどまらず様々な角度から解説いただき、大変参考になりました。これまで特に根拠なくソフトウェアとwebサイトを分けて考えておりましたが、間山先生のおっしゃるように両者を峻別する必要はないのかも知れませんね。あとは何にしても「創作性」の問題ですね(それが一番難しいのですが…苦笑)。今後も他社から真似されるぐらいものを創りたいと思う一方、自分たちの創造の対価(権利)について、改めて制作の現場から考えてみようと思う良いきっかけになりました。ありがとうございました。
回答専門家
- 間山 進也
- (弁理士)
- 特許業務法人エム・アイ・ピー 代表弁理士
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疾風さん
HTMLやCSSの権利保護について
2007/09/06 17:25稚拙な質問に対して、非常に分かりやすく丁寧なご回答を頂きありがとうございます!なるほど…。webサイトのレイアウトと雑誌のレイアウトには確かに共通点が多そうですね。大変参考になりました。色々なところにヒントがあるものなのですね、まるで考えが及んでおりませんでした。なお、ご回答の文中に「例えば設計図のように表現されたもの」とありましたが、HTMLやCSSのソースコードなどはそれに該当するのでしょうか(なんとなく難しい感じもするのですが)?不躾に質問ばかりを並べて恐縮ではございますが、もし宜しければ、ご回答いただければ幸いです。宜しくお願いいたします。
疾風さん (千葉県/36歳/男性)
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「知的財産権」に関するまとめ
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知的財産権って何?基本事項や疑問について専門家が解説します
皆さんは「IP」という略称を耳にすることはありませんか。近年様々な言葉の略称として用いられていますが、そのうちの1つに知的財産権(Intellectual Property)があります。
知的財産権とは商標権や特許権など無形財産に関する権利の総称で、五輪のロゴ問題を始め話題にならない日はありません。ここでは知的財産権についての基本的なことや疑問の解消に役立つ専門家の解説をまとめました。
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