対象:リフォーム・増改築
2013年の8月に新築戸建を購入しました。
2013年の12月ごろから部屋の角のクロスとクロス間に隙間が目立ち始めました。
ハウスメーカに問い合わせたところ、木の収縮が原因で新築には必ず起きることで4月ごろには落ち着いてくるのでそのころにコーキングしましょうか。と言われました。
クロスの隙間は、全ての部屋&廊下、玄関に見られ、隙間が目立つため気になります。
結局その年はコーキングせずに2年目の冬を迎えましたが、隙間は大きくなっているように感じます。
ハウスメーカからは、事前にクロスの隙間が空くことがあるという説明は聞いていませんでしたし、今もちゃんとした説明をうけていないため、不安です。
クロスの保証は2年なので、それまでにきちんとしたいとおもっております。
ハウスメーカがいうように、クロスの隙間があくのは新築住宅ではあたりまえなことなのでしょうか?
→ハウスメーカからは家が乾燥してるから当たり前のようなことを言われましたが、湿度が45~60くらいの部屋でも隙間が空いています。
また、その際の対応ではコーキングが一般的だと思いますが、コーキングした際の影響などありますでしょうか?
近々、ハウスメーカにもう一度話を聞こうと思っているので、その前に予備知識がほしいためご教示ください。
よろしくお願いいたします。
coroco623さん ( 東京都 / 女性 / 31歳 )
回答:2件
1年目点検
こんにちは
スタジオドゥカの畔柳です。
新築戸建て住宅を購入されたとのことですが、1年目の点検は行われましたか?
私が設計をした場合、木造住宅を新築すると、必ず1年目点検を施工業者とともに行います。
建物も生きているという表現をしますが、竣工時の季節がいつであれ、1年のうちの四季を経るうちに、その気温、湿度等により、建物は動きます。特に最初の1年は、冬には乾燥して木が縮み、梅雨時の湿気により膨張し、その寸法の違いは、おそらく驚く程大きいものです。
例えば冬に竣工した建物の木製建具(ドア等)が、梅雨時に動きにくくなるという様なことも普通に起きます。また、夏に竣工した建物のドアが、冬の乾燥ですかすかになって、うまく閉じなくなるという様なことも起こりえます。
また、その建物の建つ土地の特性から来る建物への影響も、1年を経るとある程度わかります。幹線道路に面している場合の振動や、騒音、公園や学校に近い住宅に置ける音に関する問題、落葉等の影響、夏の暑さの感じ、冬の風の通り具合、大雨の降った場合の排水の様子等、一年を経てやっと見えて来ることも多いのです。
場合によっては、台風の影響も受ける事もありますし、極度の乾燥状態になった場合に、建築部材が見せる建物への影響も知ることができます。
結露の有無も、一年を過ぎるといつの時期にどこで結露が起きやすい等ということもわかります。
そして、もう一つ重要なことは、建物建築時に使われた接着剤や、モルタル、基礎のコンクリート等(の湿式材料)は、きちんと乾燥して乾くまでには時間を有することも多くあります。コンクリートやモルタルが乾燥する為に発する湿気の影響も、新築1年目には大きいです。
ですので、まず竣工後一年間は、生活に支障がある程の大きな問題はその場で何らかの処置をしますが、動きにくい程度の場合は、1年目点検まで待っていただき、その建物が一年間を全て経験して、何らかの落ち着き場所を得た状態で、様々な修理修繕をし、対処の方法を考えます。
そして、1年間という時間は、住宅設備機器の多くが保証期間が1年という場合も多いので、ちょうど、その保証が切れる前にもあり、点検にちょうど良い時期と言えます。
さて、この1年間の間に、色々な隙間ができることは多々あります。四季の変化によるものですと、その隙間は大きくなったり小さくなったりして、場合によっては大きなまま止まってしまうし、また他の場合によっては小さくなって、それ以上何事も起こらなくなという場合もあります。このように一定の大きさで止まった場合は、シール材でシールすることで、見た目の奇麗になり、それ以上の問題もなくなったりします。
これらは、建物を建てるときのアフターメンテナンスのお話で、責任ある施工業者は、1年目点検に置ける修理修繕、対処にきちんとあたってくれます。
ご相談のクロスの隙間ですが、クロスの隙間が「大きくなっている」ということですと、その下地の部分(ボードや、その内側の構造体)が動き続けている可能性もありますので、単にシールするだけではすまないかもしれません。
coroco623さんの購入された住宅が、購入時にどのような保証等を持っていたのかがわかりませんので、一概には言えませんが、今の木造住宅は、ほとんどの場合、新築から10年間の保証があると思います。
購入された住宅の保証等は、おそらく購入契約時の重要事項説明書に書いてあると思いますので、そちらをまずチェックされると良いと思います。
回答専門家

- 畔柳 美知子
- (東京都 / 建築家)
- スタジオドゥカ建築設計室 管理建築士
時の変化を受け入れる揺るがない空間を
住宅/建築は、完成した瞬間から時の流れを受け、変化し、やがてオーナーのかけがえのない空間として熟成してゆきます。その為の空間を作るのが私の仕事です。また、特に、犬と暮らす住まいのアイデアをご提供しています。

吉田 武志
建築家
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クロスの隙間のコークボンドによる対処方法と問題点
栃木県宇都宮市で注文住宅建築とリフォームを行う工務店 ヨシダクラフトを経営しております。吉田と申します。
質問を読ませていただきました。
クロスは隙間が開きます。クロスとクロスの隙間、クロスと窓枠やドア枠、巾木等の木部の隙間等です。各箇所のクロスの隙間の開き具合と数が問題で、現状を見ていないので、
なんとも言えません。室内のクロス以外の仕上げでは、珪藻土や漆喰等の塗り壁が代表的ですが、これもまた隙間や割れは入るのが普通です。
そうした隙間は、コークボンドという隙間を埋める材料を充填しますが、デメリットはクロスに付くとシミや汚れになりやすいということです。しっかり水拭きすることが重要なのですが、隙間は狭いので、クロス部分のみ上手く拭き取ることが困難な場合もあります。
ですから、「隙間はなるべくそのままにしておいて、気にしない」のが良いと思います。どうしも気になる太い隙間のみにコークボンドを施工してもらったらいかがでしょうか?
当社ではそうしています。
余談ですが、当社には、ショールームがあり、通常使う素材で内装を造っています。本音を言うとお金が掛かるので、ショールームを造りたくなかったのですが、建材の経年変化を説明するのに造らざるを得ませんでした。当時のお客さんに無垢材の床やドア枠を使って、隙間等の建材の変化がでて、今回の質問のように説明が無かったと言われた為、ショールームを造らざるを得なかったのです
珪藻土の隙間や割れ、無垢の床材の隙間や色の変化もそのままにしています。クロスの隙間に関しては、紙のクロスにペンキという
仕上げなので、水ぶきも出来ませんし、コークボンドを施工したほうが、おかしくなるくらいの細い隙間なのでそうしています。
クロスの隙間が開くというのは、基本的なよくあることなので、造り手側が説明すべきことだったかもしれません。
ただ、お住まいは、ハウスメーカーの造ったということなので、窓枠やドア枠は無垢材でなくシートラッピングされた新建材の可能性が高いと思われます。新建材なら、無垢材
の窓枠やドア枠を使った住まいよりは、クロスの隙間は開いてないのかもしれませんね。
無垢の木を削って造ったドア枠や窓枠(木部)は、新建材やメーカー建材よりも基本的に乾燥収縮しやすいので、クロスと木部は隙間が開きやすいです。しかし、新建材は接着剤の寿命が本体の寿命になるので、大工さんが造った枠材より耐久性はありません。
建築に限らず、物事には良い面と悪い面が必ずあるので、多少の隙間なら気にせず生活するのが良いのかもしれません。
ショールーム http://yoshidacraft.net/%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%a0/
(現在のポイント:-pt)
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