対象:リフォーム・増改築
自分の所有するマンションをリフォームして、数室ほどのトランクルームに改造し、マンションの住人専用に貸し出そうと考えています。
その時、マンションの管理会社より「消防法的に大丈夫でしょうか?」と言われました。管理会社も消防法に詳しいわけでもなさそうでしたので、そこで話がとまっているのですが、皆さんから見て、もしも具体的に法に関係しそうな部分があれば、どういう部分で、どうしていくべきか、教えていただけませんでしょうか?
またこれから設計士を探す予定ですが、探した建築士設計士の方に相談すれば済むのでしょうか?
・物件は普通のマンションの一室です。築25年ほどです。
・スケルトンで、中身をごっそり外し、2m×2mくらいの部屋を複数つくります。
・マンションの約款上に問題はありません。
・玄関、入り口、各部屋に鍵がついています。
・窓ははめ殺しに変える予定。
・エアコン、防犯カメラ等の24時間使用の電気部材が入る予定。
法的に、問題がありそうな部分が、他にもあるものでしょうか?
G13さん ( 愛知県 / 男性 / 43歳 )
回答:2件

辻 唯寿
建築家
2
調整が必要ですが可能だと思います。
はじめまして。名古屋の建築事務所TREEHOUSE辻ともうします。
この手の話は設計事務所として
以前よくかかわっていたのでコメントさせていただきます。
1、まずはトランクルームは居住用専用とかんがえてよろしいのでしょうか?
そうするとあくまで共同住宅の付帯部分としてみなされますがもし第3者を入れるとなると
事業用倉庫の扱いとなり建築基準法、消防法の扱いがかかってきます。
2、ガラスをフィックスにするのは問題があると思います。すいません実際の間取りや形式が見ていないのでわかりませんが火災時などに排煙できる開口として窓は必要です。
機械排煙設備でも設けることも可能ですが費用もかかります。
内装制限や区画で免除できる可能性もありますが安全上考えると窓は生かした方がいいです。ただ現状で行くか、交換するかは状況によります。
3、セキュリティは直接消防法にはかかわりません。防災設備的な設備を除きますが・・・
詳しくは状況を確認したうえで行政との打ち合わせ確認・見解が必要です。
最後に昨今不況の中でマンションの空き室対策としていろいろな戦略があると思います。
家賃を下げるにしろ、このように付帯設備で付加価値をつけるにしろ、リノベーションで
居住空間、デザイン性を上げるなり・・選択肢はまちまちです。
そういう中で昨今は空きスペースの活用としてシェアスペースの活用が注目されています。
今回のケースのようにトランクルームとして活用する際にうまくかみ合わせられるとより付加価値の高く提供できるのではないかと感じました。
トランクルームが単なる物置空間でなく居住者にとって情報の提供やコミュニケーションスペースであったりと・・・・
すいません。長々とおせっかいなことを書いてしまい申し訳ございませんでした。
是非事業がうまくいくことを心からお祈りいたします。
ありがとうございました。
TREEHOUSE辻
http://www.shosai-4031.jp/
評価・お礼

G13さん
2013/03/10 15:47ありがとうございます。
はい。今回はマンションの居住者用に提供する予定です。第三者(マンション外の方)に貸し出すことはありません。あくまでも同じマンションの住人、所有者のいずれかに貸し出すものです。
FIXガラスについてはセキュリティ面を気にしているためですが、火災時の排煙については考えていませんでした。ありがとうございます。お金をかけて不要な改造するより、現状のままで解決策を考えたほうがよさそうですね。
今回、セキュリティ面の話をしたのは、火災時や何か起こった時に、基本的にこの部屋が無人であり、高セキュリティであるために、この部屋に消火活動などで入れないことに、何か問題があるのかもしれないと思ったのですが、よく考えれば、普通の住居であっても、留守の日もあるでしょうし、簡単には入れないはずなので、セキュリティが強すぎることとは関係ないなと、後で気づきました。お恥ずかしい質問になりました。失礼しました。
ご指摘の通り、シェアの発想が入っています。単に貸すだけではなく、中古になればなるほど、いろいろな問題が解決されて住み心地がよくなり、利用する住人全員が嬉しくなるような事業に育てばいいなと、漠然と考えております。
辻様は名古屋ということで場所も私と近いようなので、また何かありましたら、相談させてください。今後ともよろしくお願いします。

辻 唯寿
2013/03/10 15:56さっそく評価ありがとうございました。
>単に貸すだけではなく、中古になればなるほど、いろいろな問題が解決されて住み心地がよくなり、利用する住人全員が嬉しくなるような事業に育てばいいなと、漠然と考えております。
素敵な発想ですね。住み手の視線で素敵な建物に変身できるといいですね。
また機械がありましたら宜しくお願いします。

島崎 義治
建築家
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構造設計上の検討が必要ではないでしょうか。
新たなニーズに応える企画で大変面白いと感じました。こうしたリニューアルも今後増えていくものと感じます。
この場合、消防法的にも建築基準法的にも「共同住宅」と「倉庫」の違いをチェックしておく必要があります。
消防法的にはどちらも同程度の消防設備が必要となりますので問題はないように思います。具体的な設計の段階で消防署(予防課)へ相談されればいいと思います。可燃物が多いため、自火報感知器の設置基準など、詳細に指導されるかもしれません。
建築基準法的には、床面の積載重量が問題となりそうです。
一般の共同住宅では、床の積載荷重を180kg/m2(現在では単位が変わり1800N/m2と記載しますが、kg表示の方が分かりやすいので、このように表示いたします。180kg≒1800Nです。)、地震力上の床の積載荷重を60kg/m2として構造設計を行っているはずです。実は大変低い値です。事務所や学校はその1.5倍程度あります。
そして、倉庫の場合はさらに条件が厳しく、
床の積載荷重が390kg/m2、地震力上の床の積載荷重が、その数値の50~65%と決められているため、十分な検討が必要です。
私たちも共同住宅(集合住宅、マンション)の設計の場合、地下のトランクルームは住戸の部分とは設計基準を変えて設計いたします。
十分な検討が必要ですが、
床の積載荷重の場合は床上に鉄骨材を補強することで適合できる場合が多いですが、
耐震上の床荷重の場合は建物全体の構造計算書をチェックしないと適合できるかどうかは判断できません。
ただ、実際の収納内容を想定し、その重量を集計して条件とする場合もあります。衣類等であれば問題はないかもしれませんが、本や資料の場合はもっと値が大きくなるかもしれません。
今回の場合などは、建築基準法上は役所等への申請手続きは必要ないとも思われますので、一般にはそのままやってしまわれるケースもあるかもしれませんし、住宅の中が書庫のようになっている場合もあるでしょう。
ただ、リスクも背負うことになりますので、よくご検討なされることをお願いいたします。
と同時に、新たなトライの成功をお祈りいたします。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所 人間環境大学教授
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼

G13さん
2013/03/10 15:48ご丁寧にお答えいただきありがとうございます。
今回は、共同住宅の予定です。倉庫業ではなくレンタル収納として貸し出す予定です。
なるほど。積載荷重に関しては全く考えていませんでした。これは盲点でした。
ご指摘ありがとうございます。
ご指摘をいただいてから、いろいろ、迂回策を考えてみていますが、いい知恵がでません。床の問題は厳しいですね。重量によって室料を変えることができたら、重さの抑止力になって面白いでしょうが…笑
何か絶妙のお知恵がありましたら、ぜひ、またお教えください。ありがとうございます。
こちらもまた、相談させてください。今後ともよろしくお願いします。

島崎 義治
2013/03/10 23:16コメントならびに評価をありがとうございます。
私は東京で設計活動を行いながら、愛知県の大学で教べんをとり、東京と愛知を毎週往復しております。今週は少し長くて、明日から週末まで愛知滞在です。
床の積載荷重上の問題は専有住居内で解決する方法はあると思います。トランクルーム部分を既存の梁の上にのせるようにうまく配置すれば、解決できるかもしれませんし、重量によってレンタル費用を変えることもいい方法ですね。
ただ、耐震上の積載荷重の問題は建物全体に波及いたします。規模の大きなマンションでしたら、25坪程度の荷重増は耐力が余っていて問題ないかもしれません。(設計とはぎりぎりの数値で設計することは少ないですから)
なお、ガラス面は、排煙の問題はないと思います。(倉庫など非居室には不要ですから。ちなみに採光も不要です。)
ただ、倉庫としての性能確保のため、湿度の上昇や結露はあってはならないことでしょうから断熱性能を十分確保したり、太陽光による劣化防止に注意する必要があると思います。
私たち建築家は、抽象的な状況より具体的な状況からの方がいいイメージを作り上げることができると思います。どうぞ、ご遠慮なく、ご相談ください。
いい企画となりますことを期待しております。
(現在のポイント:-pt)
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