0歳児からの英語教育について

コラムやQ&Aに以前から説明しておりますが、「０歳児からの英語教育」は科学的研究の結果、役に立たないどころか、脳の正常な発達を阻害する可能性も証明されています。

幼児の外国語教育については過去多くの研究が発表されています。 その中でも最近のアメリカからの研究論文結果がまた更に「幼児外国語教育に否定的な結果」を示しています。

それら言語・脳・発達科学からの一連の科学的証拠)によると、日本語の国で、日本人の親に育てられる幼児への英語教育には、脳の言語部分に影響を与えるほどの効果はないと考えられます。

上述の研究論文についての詳細はコラムをどうぞ。子供の早期英語教育の是非について詳しく書いています。
http://profile.allabout.co.jp/w/c-63664/

その言葉を話す生身の人間が２４時間接する以外の方法では、まったく脳の言語部分には何の影響もないという結果です。
ＣＤもＤＶＤも、英語教室も効果はありません。
（その保育園では２４時間Native Speaker のケアを受けるわけでは、もちろん、ありませんよね。）

そんな効果のない英語教育より、将来「英語の論理を理解出来る脳」を育てることの方がはるかに重要だと思います。

以前のQ&Aに書いたことですが、子供の脳の発達に最適の環境について、こんな科学的根拠もあります。(Rosenzweig, M.R. in 1972)

[はつかねずみを使った実験]
グループ１：何の刺激もない狭い檻の中で育ったねずみ。
グループ２：広い檻でおもちゃがいっぱいの中で育ったねずみ。

グループ２のねずみのCerebral Cortex [脳の神経細胞体が集中して存在する部分]はグループ１のねずみより大きく成長しました。

「じゃぁやっぱりＣＤでもＤＶＤでも何でも刺激があるほうが・・・・」

いえいえ、実はもうひとつグループがありました。
グループ３：人工的におもちゃを与えるのではなく、広い自然の環境で冒険しながら育ったねずみ。

グループ３のねずみのCerebral Cortex はグループ２よりはるかに成長し、ニューロン間をつなぐSynapsの数も増えました。 身体を動かす能力、記憶能力、学習能力、外からの刺激に反応する能力（視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚）などに大きく勝っていました。

日本語を覚えていない時期に英語教育を行うことに不安を覚えていらっしゃるとのことですが、子供の頭は柔軟ですので、個人的な見解では、特に世間で言われているような悪影響があるとは思いません。

知り合いのアメリカ人女性で、日本人の旦那様とご結婚された方がいらっしゃいますが、ご自身は意識的に英語のみで育て、英語オンリーのプリスクールに通わせ、ご主人は日本語で話しかける、という育児をされていらっしゃいますが、お子様はきちんと日本語には日本語で、英語には英語で返事をするというバイリンガルに育っています。

また、マレーシアで暮らす日本人家庭のお子さんでインターに通っていらっしゃる幼稚園児さんと接する機会がありましたが、英語・中国語・日本語を使い分けて話していました。
多少、日本語と英語がちゃんぽんになっておかしい言い回しもありましたが、成長していくうちにきちんと棲み分けが出来てくるとのことでした。（小学生のお兄様を見て、のお母様のご意見）幼稚園児さんでしたら、まだまだ日本語だけでもおかしい言い回しをすることも多いですので、不安に思うようなことではないと思います。

ちなみに、日本で暮らしていく以上は、日本語の割合がそのうちに高くなってくると思います。
harunatsuakiさんの場合には、ご両親とも日本語で話しかけをするようであれば、特に、ご不安に思っているような日本語（母語）への悪影響は心配される必要はないはずです。

ただし、お子さんが英語オンリーの保育園で育つことによって「英語ぺらぺらのバイリンガル」な大人になるかどうか、というのはまた別問題ですので、そちらに過度な期待はなさらない方が良いかもしれません。

0歳ではないので直接の回答にはなりませんが、参考程度に聞いてください

私は、英検1級合格と、合格後のさらなるレベルアップのサポートをしています
その経験から申しあげます

「母国語が固まらないうちに、早くから外国語を習わせると、母国語習得に悪影響し、両方とも中途半端になるからやめるべきだ」という意見がありますが、私が直接指導してきた経験ではそんなことはありませんでした

彼女は中学1年生でしたが、英検1級に合格しました
マークシート方式によるまぐれではないことは私が証明します

中学1年ですから、その年齢相応の理解力による限界もありましたが、リスニング、読み書き、作文も含めて大人の受講者顔負けのすばらしい英語力を有していました。
目を見張るのは、日本語も読み書きを含めて見事なことでした。

実は、彼女を指導するまでは、私も世の中の常識（早すぎる外国語習得は母国語に悪影響し、両方とも中途半端になる）を信じていました

でも、約1年間の指導の中で、その常識が通用しない実例を経験したのです

そのほかにも複数の中学1年、2年生をサポートしましたが、ほぼ同様の印象を持ちました

ですから、断定はできませんが、ゼロ歳児も含めて、早くからマルチ言語の環境を与えるのはいい結果を生むのかもしれませんね