対象:ペットの医療・健康
Re:犬の僧帽弁閉鎖不全症について質問です。
僧帽弁閉鎖不全症の原因は明確ではないですが、加齢や遺伝性要因による弁の変性が原因として考えられています。
僧帽弁は心臓の左側に位置し、この弁の閉鎖不全により左心室から大動脈への拍出量減少と左心房への逆流が起こります。この結果、大動脈への拍出量が減ると末梢血液量は減少し血管の収縮や肺静脈のうっ滞を起こし、高血圧や肺水腫も引き起こします。さらに重度になってくると心臓の収縮力の低下も招きます。これらの循環不全を是正する為に治療が行われます。
これらの病態を治療する上で、必要なのが心臓の状態と全身状態の把握です。この為にはレントゲン検査、超音波検査、血圧測定、心電図検査、血液検査、尿検査があげられます。
これら検査を行うことで、今何が治療に必要なのかを決定していきます。全体のバランスを見ながら、治療を進めることが大切です。内科的治療は心不全の症状を軽減させることであり、病期を分類することで使用する薬も異なります。内科的な治療が功を奏せば症状が劇的に改善する場合もあります。詳しい分析を行っているのであれば、お力添えできることもあるかと思いますのでご連絡下さい。
僧帽弁閉鎖不全症の手術は成功すれば心筋への負担の軽減や呼吸状態の改善、投薬量の減少など多くの利点があります。しかしながら、リスクも比較的高い治療法です。以前に比べ成功率は高くなっていますが、心臓の状態や全身状態により成功率は異なります。様々な報告がありますが、成功率は50-90%に至るまで様々です。
これらの治療を選択する場合、内科的にコントロールが可能な状態なのか、リスクを含め外科的な治療が最善なのか、よく検討する必要があります。何れにしてもまずは、内科的な治療において状態を安定させることが最優先されます。
また自宅で管理される注意点は運動や過度の興奮をさせないようにすることの大切です。呼吸状態が安定しない場合、高濃度の酸素を吸入する為の酸素室などが必要な場合もあります。
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昨日13歳のミニチュアシュナウザーが急に呼吸を乱し倒れました。診断は僧帽弁閉鎖不全症です。同じ境遇を経験された方、治療に付いてあらゆる選択肢を教えて下さい。(外科的な事も含めて… [続きを読む]
タケ009さん (福岡県/44歳/男性)
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