対象:遺産相続
生命保険のことでご相談します。
今回、数年前に死亡した父が契約者の保険を母に名義変更することになりました。
その保険は父が契約者兼受取人で、母が被保険者の死亡保険金が1000万のものです。母は今回の名義変更時に、受取人を兄100%にするといいます。
私は全く納得できません。
父が兄に残そうと入った保険ではありませんが、母は兄に困っていると泣きつかれたらしく、このようにすると言います。
なお、父の相続人は母と兄と私(弟)の3人ですが、相続割合は父の遺志で100%母親です。
私としては、母の遺産相続時の資産についての分割内容が決まっていないのに、先に生命保険だけ決定することに納得できません。
どのように対応することができるでしょうか?
また、もし受取人が兄100%となった場合、母からの相続する際の相続資産に含まれるのでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
kotoshijiさん ( 神奈川県 / 男性 / 49歳 )
回答:1件
松野 絵里子
弁護士
3
遺留分減殺請求をしていれば・・・
最も大きな問題は、お父様の遺産相続でお母様の相続割合が100%になっていて、それを貴殿がみとめてしまっているということのように思われます。
お父様の相続を100%お母様がする以上、お父様が受取人であった保険について、貴殿が文句をいう権利はないわけです。その権利は相続されてお母様のものになっているからです。
そして、お母様の遺産相続のときには、死亡時の財産を相続するので、受取人がお兄さんになっている保険については相続の問題ではないということなるかと思います。判例により、保険金は相続財産ではないとされているからです。
もっとも、生命保険をもらっている相続人については特別受益が認められるかは争いがありました。特別受益というのは、具体的な相続分を計算するに際し相続時にはすでに固有財産となっている生前の贈与財産等まで加えて計算することで公平にするという制度です。しかし、この点も生命保険は特別受益でないと判例で結論がだされましたので、お兄さんが受取人になっていても相続のときにその分お兄さんの相続分がへることはないでしょう。
、
貴殿の問題を解決するには。そもそもお父様の相続についてお母様が100%を相続することに文句を言う必要があったといえます。それは、遺留分減殺という方法で可能であったと思われます。しかし、これはお父様が亡くなって一年経つまでであれば可能であるのですが、すでにその期間がすぎているようですよね。
そうなると、お母様と話して他の財産の相続分についてきちんと貴殿に遺言で残してもらうなり、今回の名義変更を思いとどまってもらうなりがということが、必要かと思います。
評価・お礼
kotoshijiさん
2011/06/02 15:36適切なアドバイスをありがとうございます。
母と話し、母親を受取人として、保険金を兄弟で相続する方向で進めていく話になりました。母も兄弟で争うことは本意ではないということなので。
>そもそもお父様の相続についてお母様が100%を相続することに文句を言う必要があったといえます。
そうですね、ただ、その時点では父の遺志に背くようで知ってはいましたが、行いませんでした。
ただ、母が年を取り、資産についての判断が怪しくなってくると、そうしておけばよかったかなとも思います。
とても参考にさせていただきました。ありがとうございました。
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