対象:遺産相続
先日、祖父が他界しました。
遺産は、
現金預金と証券、それに土地があります。
負債などのマイナス財産はありません。
親族構成は、
被相続人(祖父)
祖父の両親や兄弟、配偶者である祖母は既に他界しており、
長女と次女、それに成人した孫が三人がおります。
この場合、法定相続人は子である長女と次女になるのだと思います。
しかし、祖父は生前
「現金預金や証券の類は娘二人に1/2ずつ、土地は孫三人で1/3ずつ(上二人が納得すれば一番下の孫に全部)分けてくれたらいい」
と言っており、娘二人と孫三人も
「現金預金・証券類は娘が1/2ずつ、土地は下の孫が一人で相続」で了承しています。
そこで問題なのが、
親族(第三者の立ち会い無し)の前で口頭で以上のようなことを言っていただけで、
法的に効力のある遺言としては残していないということです。
長女と次女は、
「もし自分たちが相続放棄して孫三人で全ての相続を分けられるのなら、それでもいい」
と言っていますが、
それだと恐らく相続の権利が孫に飛び越しするのでは無く、相続の権利自体が消滅してしまうのではないかと思います。
いったん娘二人が相続して、子から孫に土地だけ贈与という形もあると思いますが、
孫に相続させる意思があったにも関わらず、贈与というのは気持ちの上でも税の上でもすっきりしないので、
何か方法はないものかという質問です。
どう聞いたらよいのかいまいちわからないので、
もし足りない情報があれば補足いたします。
栗まんじゅうさん ( 埼玉県 / 男性 / 25歳 )
回答:3件
池山 敦
行政書士
5
こんばんは
行政書士の池山と申します。
まずはおじいさまのご逝去、大変ご愁傷様でした。
おいくつでご逝去なさったのか、存じませんが、
安らかにお休みいただけていることをお祈りいたします。
さて、今回のケースですが、
一般論として、相続財産を相続人に引き継がせる場合と、
相続人以外に引き継がせる場合があるわけですが、
このケースの場合には、おじいさまにはお子様(長女さま、次女さま)があるとのことですので、
お孫さんに引き継がせるということは、相続人以外となりますね。
その場合には、遺言が残っていないと、直接は無理、ということになると思います。
もうひとつ、長女様、次女様が相続放棄、という場合ですが、
放棄によってお二人は最初から相続人ではなかったことになります。
相続放棄は代襲相続の原因となりませんので、
お二人のお子さん、つまりお孫さんは相続人となれません。
ということで、この場合も遺言が必要となると思います。
「飛び越す」とおっしゃっているのが、代襲相続のことで、
これは、祖父の相続について、子供が先に亡くなっていた場合に、
孫に相続権が生まれる、というものです。
最後におっしゃっておられる、贈与の件ですが、
これが唯一可能な方法かと考えますが、
贈与税の課税について、考慮が必要だと思います。
以上、駆け足ではありますが、ご参考にしていただければ幸いです。
失礼いたします。
補足
すいません、今思い出したのですが、
相続分の譲渡という制度が民法にあり、それを利用するという手もありそうです。
相続分の譲渡は、相続人に対して、または相続人以外に対して、
相続分をそっくり(または一部)譲渡するというもので、
譲渡した側はその分相続分をなくし、譲渡を受けた側は相続人の立場になる、
というものです。
ですので、相続人のどなたかからお孫さんが相続分の譲渡を受け、
遺産分割協議に参加し、土地の所有権を獲得する、という手もあると思います。
ただ、この場合も、相続人でないことは間違いないので、
贈与税の扱いになると思われますが、
税務についてはご専門の税理士の先生のご回答をお待ちすることとしたいと思います。
すいません、取り急ぎ、ご参考まで。
失礼いたします。
柴崎 角人
行政書士
1
柿沼 太一
弁護士
3
遺言が無ければ難しいです
はじめまして。
神戸の弁護士の柿沼です。
他の方も回答してらっしゃいますが,遺言が無い場合に,孫に当たる方に遺産を直接相続させることは残念ながら不可能と思われます。
長女・次女の方が相続放棄したとしても,それは代襲相続原因にはなりませんから,お孫さんに相続権が行くことはありません。相続放棄した場合,お祖父様の兄弟の子ども(甥,姪)が相続人になることになります(甥姪がいれば,ですが)。
いったん長女・次女の方が相続してからそれをお孫さんに贈与(相続分の譲渡であれ,それが無料でなされるのであれば「贈与」に該当します)するしか無いと思われますが,多額の贈与税がネックになりますね。
贈与税の節税の方法(相続時精算課税制度の利用等)については,税理士さんに別途相談されることをお勧めします。
(現在のポイント:1pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング