対象:住宅設計・構造
現在、我が家では、新築住宅の計画を進めています。内容は木造の注文住宅です。
工務店の方と、3ヶ月にも及ぶ間取りの打ち合わせの結果、概ね間取りも固まってきたので、概算を算出してもらったところ、予算をオーバーしております。
まだ、間取りの段階ですので、これから、水回りの設備関係などショールームを見て回るうちに、さらに金額が上積みされていくことは分かりきっています。
このほか、経費としては、外構経費もあるでしょうから、困惑しています。
そこで、私が受領している見積書を見ますと、建築工事費の中には、「冷暖房設備工事費を含みません」と記載しています。このほか、含まれないものとして、門塀工事などの外構工事費があります。
一方で、カーテン工事(30万円)は含まれています。
そこで、素朴な疑問なのですが、なぜ、建築工事費の中に、冷暖房設備工事費が含まれていないのでしょうか。また、そもそも、冷暖房工事費とは、どのようなものを指しているのでしょうか。
さらに、カーテン工事費とは何を意味するのでしょうか?
よろしくご教授ください。
大祐さん ( 福岡県 / 男性 / 39歳 )
回答:6件
注文住宅は何を注文するかで、見積り内容が変わります。
大阪で設計事務所をしています。
注文住宅はハウスメーカー等のセミオーダー規格住宅とは違い、一つ一つ内容を積上げて行って金額が決まります。ですので概算の段階では、内容次第で金額にバラつきの出る事が予想される外構工事・空調工事・照明工事・家具備品については別途工事とする習慣があります。カーテン工事のみ価格が計上されていたとの事ですが、これも本来なら概算段階では別途工事にすべきかと思います。
本体工事の概算を大まかに把握した上で、それ以外の工事の予算配分をどう考えるかが順序かと思います。と云いますのは本体工事に含まれる内容は、住まわれてから後で変更工事となると、仮設工事も含め大きな金額になってしまいますが、別途工事は予算次第で拡大・縮小、極端に云えば取りやめも出来るからです。その後余裕が出来たので、それから工事を行うといった事も可能です。
冷暖房工事ですが、どの様なものを指すかは、冷暖房についてどの様なリクエストをするかで変わります。冷暖房にまつわる工事全てが冷暖房工事となるでしょう。但し、給湯器や温水器を利用して、床暖房を行う場合などは給湯設備工事との腺引きが難しくなるかと思います。床暖房能力のある温水器や給湯器は一般の給湯器・温水器に比べ割高になりますのでその差額分を冷暖房工事に計上して頂くと判りやすいのですが、事前にそう云う見積もり方を要求しない限り、給湯設備工事にまとめられてしまうのが一般的でしょう。
評価・お礼
大祐さん
早速ご回答を頂きありがとうございます。
業界の慣習や基本がわかり、疑問がひとつ解決しました。
ありがとうございます。
回答専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
福味 健治が提供する商品・サービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
エアコンは量販店で購入する方が多いので
冷暖房工事は、エアコンの場合は量販店で買うほうが安いので工事見積もりに入れないことが多いです。床暖房などはもちろん工事項目に入りますが。
カーテンも入れない事が多いので抜いてもいいでしょう。ただ、カーテンの金額は思いのほか高いので最低でもそれくらいは見込んでおいてください。カーテンレールも、最近はロールスクリーンやバーチカルブラインドなどの選択肢を考えるとあらかじめはつけないことも多いです。ただ、カーテンレールの下地は忘れずにいれてもらってください。
予算オーバーというのは、最初は要望をすべて詰め込むのでありがちです。ここからいろいろ設計を考えたりして落としていく事が大事です。設計事務所ではどうやって落とすかを考えるのが重要な役目の一つです。
設計事務所の場合はここから合い見積もりをとることもできますが、それができない場合は時間をかけて設計を見直す必要があります。
設計を担当している人とよく相談してください。
評価・お礼
大祐さん
ご回答頂きありがとうございます。
空調関係は、つまり、家電量販店で購入するエアコン設備代とその取り付け費用と考えておけばいいですかね。そうすると納得できます。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
富士北山の木で家を建てませんか
富士の裾野で育った産地直送の天然乾燥無垢材を使って、エコで健康的な家造りをしませんか。無垢材対応金物工法・特殊ビスによる5倍耐力壁で、耐震等級3でありながら風と光が通る大開口をもつパッシブデザインの家がリーズナブルに建てられます。
小松原 敬が提供する商品・サービス
専門的な知識をもって計画しましょう
天然乾燥の地域木材で耐震等級3がとれる木材を産地直送で使用
関尾 英隆
工務店
-
遠慮なく工務店に質問しましょう
新築の計画を進められているとのこと。見積が予算をオーバーしてしまうことは多々あることです。と言うよりも予算をオーバーすることがほとんどで、予算内に収まることは稀です。積み上げての作業においては「坪単価」では計れないものがいろいろあります。
「冷暖房設備工事」についてですが、一般的にはエアコン工事のことです。工務店によっては、床暖房設備工事も含まれることもあるとは思います。床暖房設備の場合は、熱源がガスの場合は「ガス設備工事」に、電気の場合は「電気設備工事」に含まれることもあります。
エアコンは、設置を希望しない方もいらっしゃいますので、工事自体がない場合もあります。最近はエアコンに付加価値(お掃除ロボット、調湿機能、除菌など)が付いていて、金額もピンキリです。機能の少ない廉価版のエアコンについては、家電量販店で購入される方が安い場合があるので、本体工事に含めず「別途工事」とすることも多いです。
「カーテン工事」についてですが、30万円となるとカーテンレール工事だけではなさそうです。カーテンレール自体は一本数百円~数千円くらいのものなので、そんな額にはならないです。「カーテン工事」には、カーテンだけでなく、ブラインドやロールスクリーンを含む場合もあります。カーテンの価格は生地によってピンキリなので、数百万円になる場合もあります。一式で「30万円」ということであれば、それは「予算取り」としての計上と思われます。
いづれにせよ、見積について分からないことがあれば、遠慮なく工務店に質問してみるのがよいと思います。お客様の質問に答えられない工務店であれば、早めに工務店を替えてしまうことをお勧めします。
林 秀成
建築プロデューサー
-
別途工事も計画段階から予算組みしておきましょう。
大祐さん、はじめまして。福岡市で住宅取得のサポートサービスを行っている林と申します。
「困惑しています」ということはかなりの予算オーバーなのかもしれません。不安な気持ちや悩みはうやむやにしないで工務店とよく話し合ってきちんと解決しながら計画をお進めください。
■「冷暖房設備工事」について
冷暖房設備工事は一般的にエアコンや蓄熱暖房機(器)などの工事を指すと思います。床暖房のように建物本体工事に絡んでくるものとは違って後からでも設置できる冷暖房設備と考えていいでしょう。
仕事がらハウスメーカーから住宅ビルダー、工務店まで様々な見積書をチェックしますが、お客様から申し出がない限りどこの見積書でも冷暖房設備は「別途工事」となっています。
暑さや寒さといった感覚には個人差があるので住宅会社側も提案し辛いという事情もありますが、必要なものならやはり計画段階から予算組みをしておきたいものです。
3ヶ月にも及ぶ間取り打合せのなかで工務店からの提案やご要望を訊かれる機会はなかったご様子ですね。
工務店との次回打合せの際に、どの部屋にどういった冷暖房設備が必要なのか、ご家族のご希望を相談して見積りを依頼してみてください。その上で工務店に任せるのか、家電量販店などで手配するのか判断されるといいと思います。
■「カーテン工事」について
30万円は、現在決まっている間取りの各窓に工務店が自社で設定したグレードのカーテンを取り付けた場合の金額でしょう。最近はこういう見積書をよく見かけます。カーテンの無い家では暮らせないのであらかじめ標準装備、という理由からです。
考え方は間違いではないとは思います。ただカーテンのようなインテリアは、色、デザイン、素材、機能など好き嫌いの差が大きいものです。30万円の予算で大祐さんご家族のご希望に見合った仕上がりになるのかどうか、工務店に確認してご覧になるといいでしょう。
補足
この他にも、照明器具、コンセント、網戸、TVアンテナ、インターホン、進入路が狭い場合の小運搬費用なども別途工事になっているケースがあります。また見積書の書き方には決まりが無く各社独自の内容で作成されるため、施主自身が何が含まれていないのか見極めるのは難しい作業です。
工務店には別途工事であっても施主にとっては結局お金がかかることには違いありません。要不要を判断できるだけのきちんとした説明を受け、あとで資金ショートにならないように気をつけなければなりません。決して遠慮することなくどんどん質問してください。その繰り返しの結果が信頼にもつながります。
気になる疑問点を解決しながら素敵な家づくりを成し遂げられることをお祈りしています。
評価・お礼
大祐さん
ご回答ありがとうございます。
空調設備関係は経費の面から考えても家電量販店にお願いした方がよいようですね。
空調以外でも照明などかなりの金額になりそうなので、よく工務店に何が形状されていないのか確認することにします。
横山 彰人
建築家
2
見積調整
一般的に第一回目の見積は、たくさんの希望要素を盛り込むため予算オーバーになってしまいます。
設備工事の中で、床暖房、空調工事などは別途扱いにする場合が多いようです。
それは純粋な建築本体工事にいくらかかるかをはじめに明確にしたほうが予算が組み立てやすいということもあります。
その意味で言うとカーテン工事だけが予算組みとして金額が入っているのは疑問に思います。
予算の中ですべて納めたいのなら、設計者と相談してもう一度仕上や設備を見直しコストダウンすべきでしょう。
いい家が出来るといいですね
横山彰人
評価・お礼
大祐さん
ご回答ありがとうございます。
予算組として何を考えておいたらよいのか工務店に確認してみたいと思います。
吉田 武志
建築家
-
エアコンを家電量販店に依頼する場合の注意点
主要な質問には他の方が答えていらっしゃるので、
私はエアコンを家電量販店に依頼する場合の注意点について書きたいと思います。
家が完成して入居後に、家電量販店等でエアコンをつける時。
エアコンを取り付ける壁下地の中に筋交いが入っていて耐力壁になっている場合、
内装は仕上がっていますから、家電量販店のエアコンを取り付ける職人は、そのことを知りません。そのような場合、配管の為の穴を筋交部分にあけてしまうことがあります。
そうなると、筋交の役目をしません。
ですから、入居後にエアコンを付ける箇所も、エアコンを取付る為の下地と配管の為の穴空けは見積段階で予算に入れておき、新築時に穴はあけておく事が重要だと思います。
聞いたわけではありませんが、家電量販店の職人さんは1箇所いくらで、請負っているのだと思います。ですから、とにかく施工を早く終わらせようとする傾向があるようです。だから値段も安いのだと思います。人によっては雑に取り付ける方もいるので注意が必要です。
評価・お礼
大祐さん
大変貴重なご意見ありがとうございます。
穴の空け方をどうするか、工務店の方とよく話してみたいと思います。
吉田 武志
回答を評価していただき、ありがとうございました。
(現在のポイント:6pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング