対象:事業再生と承継・M&A
現在、事業の引き継ぎを考えている経営者です。
実は株価が相当の額になっており、後継者が私の持つ株を買い取る資金が用意できません。
今の会社を分割して株価がこれ以上上がらないようにすることができると聞きました。
そこで、別会社を立ち上げて分割し、そこにコア事業を移し、そこで後継者が代表者となり経営を行います。 そうすると、元の会社の株価は後継者が買える値段まで下がるというものです。
この場合、どのような手続きを踏めばよいでしょうか。
アドバイスの方よろしくお願いします。
pasha-aさん ( 神奈川県 / 男性 / 80歳 )
回答:3件
会社法の他、様々な法律に注意。
pasha-aさん
こんにちは。税理士の大黒崇徳です。
会社分割とは、会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は
一部を他の会社に包括的に承継させるM&Aの一手法です。
ケースにより保有資産の含み損益を計上できますので、
株価を下げることもできます。
一般的な会社分割の手続きですが、
分割会社(元の会社)側の流れは下記のようになります。
(分社型分割を前提とします)
1.取締役会 分割計画書作成
2.株主総会 分割計画の承認
3.債権者保護手続き
4.会社分割登記
通常、最短で2ヶ月程度を要しますが、
承継債務がない場合または承継債務を分割会社が連帯債務とする場合は
債権者保護手続きが省略でき、1ヶ月以上短縮することが可能です。
そのほか、許認可が必要な事業の場合は、
新会社において新たに許認可が必要となったり、
金融機関の借入などがある場合は事前に内諾をとったり、
労働者の承継についても法的手続きを踏む必要があります。
会社の事業承継には、金融機関からの事業承継支援資金や
相続税贈与税の納税猶予制度もありますので、
さまざまな選択肢から最善の方策を検討されてはいかがでしょうか。
もし、ご不明な点がありましたら遠慮なくご連絡下さい。
回答専門家

- 大黒たかのり
- (東京都 / 税理士)
- 大手町会計事務所 代表税理士
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井本 須美尾
司法書士
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会社と株価
司法書士の井本です。
ご相談者様のこの説明だけでは断言できませんが、会社分割をしても通常の分社の方法では分割元の会社(以下、元会社と呼びます)の価値の総量は変わらないので、株価が下がるということはありません。
また、旧法における人的分割と同様の方法を採れば、元会社の時価総額を下げることはできますが、ご相談者様の分割先会社(新会社と呼びます)の株が増えてしまうため、後継者はその株式も取得しなければ、本当の意味で経営権を掌握したとはいえないでしょう。
結局、総量の絶対値が変わらない以上、会社分割の方法だけでは、後継者の方の取得総額を下げることはできないと思われます。
当事務所のウェブサイトで会社分割に関する概略を説明したページがありますので、ご参考にしていただければ幸甚です。
補足
分割するコア事業を、他企業に分割・売却(承継分割)すれば元会社の時価総額は下がるでしょうが、それでは残った元会社は残骸のようなものなので、今回のご相談者様のご希望には沿わないでしょう。
(現在のポイント:-pt)
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