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対象:労働問題・仕事の法律

小笠原 隆夫 専門家

小笠原 隆夫
経営コンサルタント

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会社の一方的都合で行うことはできない

2008/11/25 11:58

 まず、日本企業が海外出向や海外支店勤務など、海外に従業員を派遣した場合、日本の指揮命令が行使されますから、労働基準法の適用はあります。

 次に給与カットについては、労働条件の不利益変更になりますので、会社側の一方的都合で行うことはできません。相応の合理的な理由と、労使の合意(労働組合などが無ければ従業員個々の同意)が必要になり、これがない一方的な労働条件の切り下げには法的根拠がなく、仮に会社が一方的に給与を減額した場合は、原則として賃金不払になります。
 合理的理由とは例として以下の通りです。
(1)従業員が被る不利益の程度(不利益があっても軽微など)
(2)代替でなされた他の労働条件の改善状況(一方の不利益が、他方で配慮されているなど)
(3)変更の経営上の必要性(変更しなければ経営状態に重大な悪化を及ぼす場合など)
(4)労組や従業員との交渉経過(変更にあたって労使交渉があったかなど)

 ご質問の場合は会社の経営不振が理由のようですが、合理的かどうかはこれまでの経緯や周辺事情も含めて総合判断されますので、給与カットそのものが即違法ということではありません。

 最後に交渉の進め方ですが、給与カットに一度同意してしまうと、その後撤回するのは難しくなりますので、基本的には給与カットに同意せず、会社側の経営再生策の状況や、これまでの労使の話し合いの経緯などを会社側に確認するということになると思います。
 確認した内容に納得できなければ、労基署などに相談するという方法もありますが、海外勤務だと簡単に相談はできないでしょうから、当面は自分たちで会社と交渉することになると思います。この場合の交渉は、一人でやるより労働組合などとして団体でやれば、会社側にも話し合いをしなければならない義務が生じ、こちらが強く主張することもできますので、できれば仲間を集めて会社と交渉することが良いと思います。

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小笠原 隆夫
小笠原 隆夫
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