対象:遺産相続
高橋 恭司
弁護士
7
母屋を取得するために
- (
- 5.0
- )
弁護士の高橋です。
大変な相続になっていますね。
まず、「祖母が娘の子(別家の孫)を養子にするなどし、他に跡取や相続人が発生したりすることはありますでしょうか。」とのご質問ですが、祖父や曾祖母の相続人が増えることはありませんが、将来祖母が亡くなったときの祖母の相続人は増えます。例えば、あなたの父の兄弟が妹だけであれば、祖母の相続について父と叔母の相続分は各2分の1です。しかし、祖母が妹の子を養子にすれば、祖母の相続については叔母の子も相続人になるので、相続分は各3分の1です。
また、以下、直接質問はありませんが、気になる点についてコメントします。
まず、「祖父の『(祖父)兄弟で土地を分ける』という遺言」は無効です。そのため、曾祖母名義の土地の処分については、曾祖母の相続人で遺産分割協議を成立させるしかありません。次に、質問中に「跡取り」という言葉が出てきますが、現在の相続では、同じ順位の相続人の相続分は基本的に同一です。祖父が遺言を残しているのでなければ、祖父の相続についても、祖父の相続人全員で遺産分割協議をするしかありません。
これらの相続の結果、祖母が取得した財産は、それが曾祖母・祖父に由来する財産であっても、祖母が、曾祖母・祖父の意向に関わりなく、自由に処分できます。
結局、現時点で本件をあなたの希望通りに解決するには、遺産分割協議の中で、父に母屋を相続させるように協議をまとめるということになります。具体的にどのように遺産分割協議を進めるかは、相手の出方、審判になった場合の分割方法の選択の予想等を踏まえて判断しなければならないので、弁護士に依頼するしかないと思います。ただ、現時点で曾祖母・祖父の相続をまとめてしまうと、祖母の遺産については、祖母が遺産を書いてしまい、あなたの父親には遺留分しか残らないという危険もあります。
なお、印鑑の偽造の点ですが、私も以前、自分の依頼者が他の相続人に署名捺印を偽造されて、預金を引き出された事件を処理しています。その時は、刑事告訴を行ったうえで、告訴の取り下げを材料に分割協議を進め、最終的には、遺産分割協議をまとめた上で、告訴は取り下げました。
評価・お礼
renoa817 さん
早速のご回答感謝致します。
ご回答頂き、更に質問が出てきました。現在のところ、祖母は話合う意向がなく、遺産分割協議もままならない状態だという問題があります。
このまま祖母が死ぬまで協議に応じず、叔母の子を養子にした場合、現在祖父名義の遺産は祖母名義になって、祖母の遺言があればそれらの土地・建物・お金すべて父には渡さない、なんてこともあり得ますでしょうか。
度々申し訳ございませんが、ご教授いただければ幸いです。
高橋 恭司
高評価をいただき、ありがとうございます。
「現在祖父名義の遺産は祖母名義になって」とのことですが、どのようにして名義が変更したかによって、祖母が遺言で自由に処分できるか否かが決まります。仮に、書類の偽造等により祖母名義になっているのであれば、それは祖母の財産ではありませんから、祖母の遺産にはならず、遺言で処分しても無効です。ただ、祖母の財産ではないことを立証するには証拠が必要になりますので、例えば、名義変更申請書の写し等を入手しておくことが重要になります。
法律相談では、断片的な情報しかないと、回答も見当違いなものとなることがあります。特に、あなたの相続の場合、二次相続が発生しており、相続人が多数であり、財産も多岐にわたり、さらに、書類の偽造等の事情もあるので、早めに、以前相談した弁護士か、お近くの弁護士に相談することをお勧めします。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
はじめて御相談させて頂きます。
祖父が病気で死に、相続問題が表面化・泥沼化しました。
問題の対象となっているのは、祖父の家(母屋)、(お金)、曾祖母(祖父の母)名義の複… [続きを読む]
renoa817さん (鳥取県/31歳/女性)
このQ&Aに類似したQ&A