対象:遺産相続
初めてご相談します。
数年前に父が亡くなった時、母から頼まれて他の姉妹は財産放棄をし、ほとんどの土地を長男に相続させました。
その後わかったのですが、実は長男の嫁が怪しげな宗教にのめり込み、うちのお墓はみないと言っているそうです。自分も一人っ子だからお互いの墓はお互い別々にみると言うことらしいです。実際、お盆でもうちの墓や仏壇には手を合わせることをしません。そういう戒律だそうです。自分の両親のお墓もその宗派に切り替え、お金もつぎ込んでいるようです。夫婦仲はあまりよくありません。
そこで心配なのが、もし長男の方が嫁より早く亡くなった場合、不要となったうちの土地を全部売って寄付してしまうのではないかということです。自分の相続した実家は残してあるそうです。そこで、長男に財産を長男の息子に全部譲ると遺言書を書いてもらうことで阻止できるのでしょうか。
また、私たちの相続放棄を取り消す、または訂正するということが死後10年以内ならできるというようなことも聞きました。相続を変えたほうが良いのでしょうか。
今回、母が亡くなりもう一度姉弟で考え直そうと思っています。
何か良い方法があればお教え願います。
catxxxさん ( 東京都 / 女性 / 55歳 )
回答:1件
森 一夫
建築家、ファイナンシャルプランナー
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相続放棄の取り消しについて
相続放棄を取り消すことはできません。
また、一部の財産だけを相続する「限定承認」を選択した場合も、取り消しは認められません。これらの取り消しが簡単に認められるようであれば、相続手続きを確実に行うことが難しくなってしまうためです。
ところが、例外的に相続放棄の取り消しが認められることもあります。
例えば、詐欺や脅迫によって相続放棄をした場合です。
他の相続人から「被相続人には多額の借金があった」と聞かされていた場合や、「相続放棄しないと危害を加える」と脅されたりしたような場合は、取り消しができるのです。
そのほかにも、未成年者が法定代理人に無断で相続放棄をした場合や、成年後見人が相続放棄をした場合なども取り消しが可能になります。
また、何らかの勘違いがもとで相続放棄をしたような場合も、取り消しが認められることがあります。
相続放棄の取り消し手続きは、相続放棄の手続きと同様に、家庭裁判所で行うことになります。
ただし、取り消しの手続きは、追認できる時点(騙されていたと気付いたとき、無断で相続放棄が行われたと知ったときなど)から6ヶ月を経過した場合は、時効によって取消権が消滅します。また、相続放棄をしてから10年が経過した場合も同じで、取消権は消滅します。
遺言によってある程度は「長男の嫁」への相続分を減らすことは可能です。
通常の相続の場合
「長男」が死亡した場合
「長男の嫁」1/2、「長男の子」1/2
仮に「長男」が以下の通りの趣旨の遺言を書いたとします。
「財産の全てを「きょうだい」に譲る。
こうした場合、「長男の嫁」「長男の子」には遺留分として、相続財産全体の、それぞれ
1/4の財産を相続する権利があると決められていますので、相続財産の割当は以下のように
なります。
「長男の嫁」1/4
「長男の子」1/4
「きょうだい」1/2
こうすれば「長男の嫁」の受取分は1/4まで減らすことは可能です。
その他、詳細は実際に弁護士や相続に詳しいFPや相続診断士などにコンサルタントを
受ける事をお勧めします。
評価・お礼
catxxxさん
2015/11/02 22:38丁寧な回答ありがとうございます。
もう放棄に関しては取り消しが効かないということなので、これからのことを含め前向きに考えていきたいと思います。
ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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