荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「内部留保は過去最高なのに、労働分配率は低下!?」
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こんにちは!
さて、財務省の法人企業統計によれば、
2015年の労働分配率は66.1%と、
2007年以来の低さになった模様です。
労働分配率とは、企業の利益の内、
「労働者の取り分(給与、賞与など)」を表す指標です。
一方、企業の利益を蓄積する内部留保は、
4年連続で過去最高を更新しています。
2015年の内部留保は377兆円で、
前年比6.6%増となっています。
とはいえ、労働者への支払いが、
減少しているわけではありません。
賃上げや賞与の支給によって、企業の人件費の総額は、
2年連続で増加しているからです。
ということは、
「企業の増益の割には、人件費の引き上げが行われておらず、
結果、労働分配率が下がっている」
ということができます。
バブル崩壊以降、不良債権処理、長引く低成長を受け、
利益が出たからと言って、
一度増やすとなかなか減らすことのできない人件費の引き上げに、
企業が慎重になっているということではないかと思います。
一経営者としては、わからないわけではありません。
ただ、企業は、単に利益を積み上げておくだけでは、
意味がないのも事実です。
将来に向けての投資を行うと共に、
成果に対して適切な評価の下、賃金や賞与を支給することが、
経済を好転させていく“重要なサイクル”と言えます。
デフレ脱却、経済成長率を引き上げるためには、
潤沢な内部留保をどう活かせるか、
日本の経営者の手腕が問われているところだと言えるでしょう。
それでは、今週末も、穏やかな日々をお過ごしください。
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