- 藤本 厚二
- 埼玉県
- ファイナンシャルプランナー
対象:年金・社会保険
社会保障と税の一体改革について
第180回通常国会と181回臨時国会で、社会保障と税の一体改革に
関連する法律が15本できました。
社会保障関連13本、税制関連が2本。
(社会保障関連では①社会保障改革 1本、②子ども・子育て支援 3本、③医療・介護の充実 1本、④年金制度の改善 4本、⑤全員参加型社会、働きがいのある人間らしい仕事の充実 3本、障がい者支援 1本、税では 税制抜本改革 2本)
改革の全体像としては
安心で希望と誇りが持てる社会 の実現を目指して とあります。
それではなぜ改革が必要なのか?
近年、日本の社会・経済は「人口の高齢化・現役世代の減少」「非正規雇用の増加など雇用基盤の変化」「家族形態や地域基盤の変化」「経済成長の停滞」など、大きく変化してきました。
今回の改革は、これらの状況変化を踏まえて行います。
その基本的な考え方は
1)全世代対応型の社会保障制度の実現
現役世代への支援の強化
社会保障の充実
2)将来世代への負担の先送りを軽減し安定した社会保障制度を目指す
3)社会保障の充実・安定化と財政健全化の同時達成のため、消費税率引き上げをは
じめとする「税制抜本改革」を実施。
今回成立した15本の法律のうち
社会保障改革については、社会保障制度改革推進法が新たに成立(平成24年8月22日)
内容は、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、公的年金制度、医療保険制度、介護保険制度、少子化に関する改革の基本方針などを定めるとともに、これらの改革について審議する社会保障制度改革国民会議を設置すること等により、改革を総合的かつ集中的に推進します。
社会保障制度改革推進法は
第一章 総則
第二章 社会保障制度改革基本方針
第三章 社会保障制度改革国民会議
から構成されています。
第一章 総則のうち 第2条に基本的な考え方があります。
社会保障制度改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする とあり
1号 自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した
生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じて
その実現を支援していくこと
2号 社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税
金や社会保険料を納付するものの立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可
能な制度を実現すること
3号 年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の
負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化にあてることを基本とする。
4号 国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かちあう観
点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財
源には、消費税及び地方消費税の収入を当てるものとする。
ここまでは成立した法律の条文をそのまま書き写したに過ぎませんが、新しい内閣が成立した2012年を振り返り、2013年の新年に話題の法律を紐解く一助になればと考えます。
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