日本人の平均寿命は女性が84歳、男性が78歳で、いずれも世界最長レベルです。最近その伸びがやや鈍化していますが、依然として日本人は世界で最も長生きしている国民なのです。その理由としては食事やお風呂好きなことなどが指摘されていますが、一つの理由として医療水準の高さも挙げられます。日本では国民皆保険のもと、全ての国民が平等に医療サービスを受けることが出来るように設定されています。
すなわち誰でも具合が悪くなれば、原則として3割負担で必要な検査や投薬、注射などの医療を受けることが可能です。そのために諸外国に比べて気軽に病院を受診して早期に病気を発見し、早期に治療を受けることが出来るのです。実際に先進国の中でも、病気が進行し手遅れになってしまったというトラブルが比較的、少ないとされています。米国など医療費の高い国では、病院を受診できずにいる人がたいへん多いのです。
日本の医療の特徴が端的に表れているのが「ガン」の診療です。ガンの診断や治療には多額の費用がかかるものですが、日本に於いては検査や薬などの多くに「健康保険」が適用されるため、米国など外国に比べて驚くほど安い出費で済みます。健康保険以外にも各保険会社による「ガン保険」が充実しており、高額医療に対しては資金が還付されるなど、ガン治療に伴う経済的負担を和らげる仕組みが幾重にも用意されています。
従って日本人は諸外国に比べて早期にガンを発見し、早期に治療することが可能なはずですが、実際にはガンの死亡率は一向に減らず、むしろ年々増えてきています。ガンを早期に発見して治療を受ける人は増えているのですが、それを上回る勢いでガンによって亡くなる人が増加しているのです。ガンによる死者は年間約34万人にも上り、今や国民のおよそ2人に1人がガンにかかり、3人に1人がガンで亡くなっています。
ガンの死者が増えているだけではありません。実はガンにかかる人が若年化してきています。かつてはガンが増えているのは高齢化のためだ、とされていましたが、若年者のガンが増えているという事実にその見方は否定されました。我々の周囲でも、40代や30代、さらには20代でガンにかかる方が明らかに増えています。働き盛りの男性や、小さい子供を育てている女性がガンで倒れる、という悲劇が後を絶ちません。
ガンが増加している原因にはいくつもありますが、一つ例を挙げると「食事」があります。野菜や果物、魚類の消費量が年々減少し、代わって菓子類や各種加工食品、ファストフードの消費量が増えてきています。それによってビタミンやミネラル、食物繊維、各種抗酸化物質の摂取量が減り、反対に過酸化脂質や各種添加物などを通して多くの「発ガン物質」を体内に取り込み、長年それが蓄積してガン発症に至るのです・・(続く)
このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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