本当のアンジェリカでパウンドケーキ - 洋菓子・和菓子 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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本当のアンジェリカでパウンドケーキ

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フランス菓子

5月23日~26日5月の製菓連続講座にて

フルーツケーキ cake aux fruits
ようやく、ようやく念願の本物のアンジェリカを使ったフルーツケーキを焼くことができました。日本でアンゼリカと言って売られているものはフキ(キク科)による代用品で、本物は「アンジェリカangelique(セリ科)」という別の植物です。その根は漢方でいうところの「当帰」で、茎には独特の芳香があります。

アンジェリカangelique
1年半ほど前に、その特産地であるフランスはニオールNiortの町にでかけ、本物を買ってきたのですが、ケーキを焼くほどにはなく、みなさんでちょっとずつ食べて終わりになっていました。これは最近生徒さんにいただいたもの。しかしアンジェリカはあっても「ドレンチェリーをどうしよう!?」と思い続けていたのです。(たとえフランスでドレンを買ったところで、だからっておいしいものでも・・・)などとぐずぐずしていたのですが、また別の方からイタリアのアマレーナチェリーのシロップ浸けを頂きました。これは使える! 食感はしっかりしていて、かつおいしいのです。そこでようやく実現の運びとなりました。
アンジェリカには独特の香りがあり、それは万人受けするものではないかもしれませんが、私は結構好きです。少しラムにつけて、ケーキに焼き込みました。注意して味わうと、アンジェリカの香りが分かります。ようやく小さい願いが叶い、一人、うふふと笑いたくなるような気持ちです(一人で盛り上がっているかもしれませんが、幸せに思います)。チャンスを与えてくだった方々、ありがとうございました。
せっかくフランスのアンジェリカを使うので、粉もと思い、日清製粉の「エクリチュール」を使いました。ざっくりフランス的になるかと予測したのですが、これは意に反してきめ細かい仕上がりに。

松の実のタルト Tarte aux pignons
プロヴァンスの地方菓子です。南の方に行くと、意外にも松の木がたくさん!昔マルセイユで食べて、「なんておいしいのか」と感動したことを覚えています。「私の好きな地方菓子ランキング、トップ3」に入るかも。

スペイン産の松の実を使いました。ヨーロッパのものは、しゅっと細長く、油脂が多いためむっちりとした食感になります。シンプルにクレーム・ダマンドを敷いただけのものと、底にカシスのジャムを詰めたもの、の2種を作りました。


レモンのタルト Tarte au citronこれはクリストフ・ミシャラクさんのアイデアを借りました。レモンのクリームを絞りだし、メレンゲを飾りに(でも味の上でも大切)添えています。

フランボワーズのタルトレット Tartelette aux framboisesこの前のパリで、カレットCaretteで食べたフランボワーズのタルトのおいしさとキュートさが忘れられず。そしてせっかく角のタルトレット型を買ったので、どうしても使ってみたくて、作ってみました。中はカスタード、上にはバラを加えたフランボワーズいちごジャムを乗せています。

最後はいちごのスープ Soupe de fraiseそろそろ名残のいちごとなりました。先日の料理講座でのやり方とは少し違えた方法でいちごを漬け、グラスデザートにしてみました。

全部の写真はブログへどうぞ。

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