- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
フランスで春になるとお菓子屋さんのウインドーにいっせいに並ぶのは、フレジエFraisierです。
フレジエとは、いちごfraiseを使ったケーキのことです。サイドはいちごの美しい断面が見えるようになっています。 ジェノワーズ(共立てのスポンジ)2枚の間に、バタークリームをはさみ、いちごを並べます。スポンジはしっかりめに焼くので、シロップもかなりたっぷりと。ケーキの上面は色をつけたマジパンを載せるか、あるいはイタリアンメレンゲで覆いバーナーをかけて焦がします。ちょっと甘いのですが、よく合います。バタークリームは本当はおいしいのだと、このとき本当に初めて知りました。
フランスのいちごは総じて日本のものほど甘くはありませんが、香りが高く、酸味がしっかりしています。割とがっしりしていて強いので、ケーキにはさんで押してもびくともしません。
パリの学校にいたとき。フレジエの授業でスポンジにクリームといちごを置き、もう一枚スポンジをのせると、 「押しなさい、もっと、もっと!」 とシェフが何度も言っていたものでした。 (えぇぇ、そんなに押したら、いちごがぐじゅぐじゅになるんじゃ・・・) なんて思いましたが、ちっとも潰れていませんでした。
フランスのいちごの旬は5月頃でしょうか、本来の露地物のいちごがでてくる初夏です。ペリゴール産がマルシェに並びます。 おいしい品種はマラ・デ・ボワmara des boisやセンガセンガナsengasengana、ガリゲットgaliguetteなど。いつだったかの夏マラ・デ・ボワがフォーションには1キロ23ユーロで並んでいました。マルシェに比べたらとても高いのですが、でも格別においしいものです。マラ・デ・ボワの時期は5月から10月。もし旅行で行かれるのなら、ぜひ探してみてください。
このコラムに類似したコラム
フランス唯一の生デコ「フォレ・ノワール」を作る 2月の製菓基礎講座のお知らせ 塚本 有紀 - 料理講師(2013/02/01 20:42)
プラリーヌ発祥のモンタルジーへ 塚本 有紀 - 料理講師(2010/12/20 07:00)
本物のアンジェリカを求めてニオールへ 塚本 有紀 - 料理講師(2010/12/13 07:00)
千歳烏山「ヴィエイユ・フランス」へ 塚本 有紀 - 料理講師(2013/11/05 23:19)
夏の終わりのエクレア 9月の製菓連続講座にて 塚本 有紀 - 料理講師(2013/10/06 00:17)