- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
5月17日5月の料理基礎講座にて
ブレス鶏のロースト、春野菜添え Poulet roti printaniere
まずアミューズに、ナント近郊のマルシェで買った「ノワールムティエ島産の新じゃがgrenailles nouvelle de Noirmoutier」を登場させました。
さっと茹でたらオリーブ油でころがし、アンチョビとパセリ、ロデヴのタイムで仕上げます。むっちり身のつまった新じゃがの味! ビールと一緒に。
前菜は旬のアスパラガスを使います。
緑は国産ですが、ホワイトとソヴァージュasperges sauvage(中央)はフランスで買ってきました。ソヴァージュは野生という意味ですが、これは野生のアスパラという名前の栽培種です。茹でるとちょっとぬるっとした食感があり、おいしいものです。何よりかわいいので、とても好きです。
日本を発つ前(5月の頭)に業者さんにソバージュを発注したら、今年はまだとのこと。致し方ないので、フランスで買ってくることに。向こうを発つ前日にマルシェで探しましたが、まだこれからのようで、マルシェ中探して発見したのはたったの1軒のみ。大事に持って帰ってきました。(ところが帰国してみると、黒門市場に初物と思われるソバージュが並んでいました。おまけに今年初めて「山形産のアスパラガス・ソヴァージュ」も発見! 「苦節11年」との説明書きがついていました。来年は買ってみる予定)
ホワイトアスパラガスはフランスではそろそろ終わりかけ、緑に移行しつつありましたが、それでもマルシェには山積み状態! ぐるっと歩いて見て回り、一番元気のよさそうなのを買ってきてみました。ランド産。
アスパラガスのオランデーズ・ソース、ポーチドエッグ添え Asperges sauce Hollandaiseオランデーズソースとは、卵黄に澄ましバターを加えて泡立てた、温製のマヨネーズのようなソースです。レモンできゅっと味を引き締めます。ふんわり柔らかく仕上げてかけたいもの。フランスだけでなく、ヨーロッパの春のごちそうです。
太い白アスパラガスを茹でるのは、相当に時間がかかりました。細めのはそれほどでもありませんが、太いアスパラの根元の苦いこと!春の恵みという鮮烈な味がします。
さてメインはブレス鶏を使います。
ブレス産の鶏は、家禽の中で唯一AOP(原産地名称保護)を持っています。味が濃くておいしいのはもちろんですが、とさかの赤、羽の白、足の青が、フランス国旗のトリコロールを表すとされ、ことさらフランス人の愛国心をくすぐるよう。しっかりとしまった筋肉に、付きすぎていない脂。なんとも言えない滋味深い味わいがあります。
足首には鑑札がついていて、生産者の名前と番号が刻印されています。もし内蔵付き、足付きの状態で納品されているのなら、足の指を1本残して鑑札をつけたままローストして、供します。「ブレス鶏である」とお客様に知らせるのです。
クレメ・ダンジュウcremet d'Anjou
ガーゼでフロマージュ・ブランの水切りをして、泡立てた生クリームを合わせ、ハートの型で冷やし固めます。本当は陶器の型なのですが、私はまだ持っていないので、セルクルで代用。ロワール河沿い、アンジュウ地方のデザートです。
昔は生クリームとメレンゲだけ、そして他にはフロマージュ・ブランとメレンゲというスタイルもありますが、私はやっぱりフロマージュ・ブラン+生クリームの組み合わせが一番おいしいと思います。そして添えるのは断然フランボワーズのソースです。とてもよく合います。大好きなデザートの一つです。
クレメはガーゼで水切りをするために、表面には独特の網目模様が残ります。クレメというからには、やっぱりこの模様がないと気分がでないのです。
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