- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
ローマジパン レムケ社製(上)とリューベッカ社製
米粉のバウムクーヘン講座のために、ローマジパンを取り寄せました。講座は2日間あるので、2つを比べてみようと思っています。ともにドイツの会社です。
ローマジパンとはアーモンドと砂糖をローラーでひいてペースト状にしたもの。加熱していないので、焼き菓子など焼成用です(たいしてマジパンは120℃のシロップを投入して作るため、保存に向き、細工用)。アーモンドの風味をお菓子に与えると同時に、高い保湿効果も得られます。
レムケのローマジパンには苦アーモンド香があるので、私は好んで使います。バウムクーヘンに使ってもそのまま香りが残り、贅沢な気分になれます。ヨーロッパ産のアーモンド使用。
苦アーモンド香とは、一番近くて分かりやすいのが杏仁豆腐の香りです。人工の香料がのどの奥に残るような風味なのにたいして、天然のアマンド・アメール香はすっと抜け、癖はあるものの高貴だと思います。
ただしロットによって、とても香りの強いときと、それほどでもないときがあります。今回は、いつもより柔らかいようにも感じます。農産物なのですから、これも致し方ありません。
もう一つのリューベッカはとても有名なメーカーで、マジパンといえばリューベッカくらいのイメージです。アメリカ産のアーモンドなのですが、ぎゅっと詰まったアーモンドの風味があり、さすがに風格を感じます。上質な焼き菓子を焼くことができます。(値段も上質!)
リューベッカはアーモンド:砂糖を2:1にした、ローマジパンの中で一番上等のクラスです。(フランスではこれをpate d'amandes superieureと呼び、最上級。1:1がエクストラクラスで、さらには1:2、1:3まであるようです(おいしくなさそう・・)。アーモンドの比率が高い方が当然上等ですが、保存期間は短くなります。
昔、マジパンって、なんてマズイ食べ物なの!と思っていました。(1:3だったのかも)
でも今は、「上等のマジパンって、なんて素敵な味!」と思っています。変われば変わるものです。
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