投資信託を1年で買い替えるのは損失を覚悟で - お金と資産の運用全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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投資信託を1年で買い替えるのは損失を覚悟で

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前回のコラムで、標準偏差とインデックス及び投資はコストが重要との話を載せました。

週刊ダイヤモンドの特集「為替取引入門」ファンドの全評価として一般向けの「909投信」が掲載されています。その中でもコストへの言及がされています、
データとして信託報酬等を記載したファンドの比較表が掲載されています。

一方、一般投資家の投信保有期間は、2010年7月26日、日経新聞に掲載された記事では、個人の投信保有期間が6月末で、前年同月に比べ1年短くなり、2.8年になったと紹介されています。

また、私が持つデータにより、予想期待リターンも揃うので、このような短期間の投資で、儲けることが出来るのかを試算してみました、

アクティブ・ファンドの販売手数料は外国株式を対象とするもので、殆どで3.15%~3.675%です。(ありがとうファンドのように0%のものも在ります)。
信託報酬は安いもので1.12%、高いものでは2.2%というものも有ります。

このことから、販売手数料は3.4%、信託報酬を1.5%と仮定し、

期待リターンは、我々の年金を運用・管理しているGPIFが置いている外国株式(先進国のもの)が5.0%、私の持つソフトのデータは約6.3%とされているので、6.0%と仮定します。

購入した、最初の1年間のコストは。3.4%+1.5%で4.9%になります。期待リターンが6.0%ですから、まず、初年度は儲けるチャンスが極めて低いことが解ります。もし、期待リターン通りであれば、100万円の投資で1.1万円の儲けに為り、税を払って利益が9,900円の利益が出ます。標準偏差20%程度のリスクを取っての利益ですので、定期預金のキャンペーンの方が、リスクがない分良いのでは。

2年目のコストは信託報酬の1.5%、三年目の途中は0.8年で、信託報酬が1.2%です。
2.8年トータルでは、コストが7.6%にもなってしまいます。

確かに、期待リターン6.0%を毎年稼いで2.8年経過すれば、1.06×1.06×1.048≒1.18となり約18%の利益が出ているように見えます。が、分配金への課税が有り実際は6%×0.9≒5.4%のリターンに減じてしまうので、約16%の利益に止まります。

ここからコスト分7.6%が減ずるので、残るのは約8.4%です。リスクはほぼ20%も在りますから、リスクの大きさに対して、少ない利益といえるのではないでしょうか。

ただ、主にネット証券が販売しているインデックス・ファンドには、先進国株式の指数MSCIコクサイに連動するもので、販売手数料なし、信託報酬0.63%の投信が有ります。
この場合には、2..8年のコストは1.764%ですので、手元に約14.2%以上のものが残ります。

また、当該ファンドを10年保有した時で6.2%のコストと、通常の分配金への課税で済みます。

これ以外の株式における期待リターンは同程度になりますから、コストの安いものを長期で保有される有利さが解ります。

このように、投資にかけるコストで、ご自身の勝率や利益が大きく変わることが御理解できると思います。

一般投資家のリターンの構造
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/7349/

投資信託は分配金なしが有利
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/7273/

お客様のリスク許容度とリターンに合わせた資産運用のご相談を承ります。

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