- 村田 英幸
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【コラム】退職慰労金の性格を有する「弔慰金」の相続財産性・受給権者
死亡した取締役に対して,「弔慰金」という名目で退職慰労金が支払われることがありますが,その実質が退職慰労金である限り,会社法361条の適用を受けることになります(最判昭和43・11・26判時722号94頁)。 これに対して,その金額が,会社の規模・役員の在職年数等から判断して明らかに低額であり,死者への弔い・喪主への贈与等の趣旨で支払われていれば,退職慰労金ではないので,会社法361条の適用はありません。 退職慰労金の性格を有する「弔慰金」の場合,会社法361条の適用により,定款の定めがなければ,株主総会決議によって具体的請求権として発生しますから,弔慰金請求権は,被相続人死亡時に被相続人の財産に属しているとはいえず,相続財産には含まれないことになります。 また,「弔慰金」の受給権者は,一般的には相続人であることが多いですが,株主総会またはその委任を受けた取締役会等の決定により,「弔慰金」の受給権者が定まると考えられます。なお,私見ですが,従業員兼務役員の場合,就業規則に「弔慰金」を支給する定めがあり,従業員としての「弔慰金」相当額の支払いを受ける場合には,支給を認めてよいと思われます。 |
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